グジャラート州GIFTシティーにアジア最大規模のデータセンター運営会社が進出

(インド)

アーメダバード発

2024年01月04日

インド南部テランガナ州ハイデラバードに拠点を置くアジア最大規模のデータセンター運営会社CtrlSデータセンターズは12月22日、グジャラート(GJ)州の国際金融特区GIFTシティーに25億ルピー(約42億5,000万円、1ルピー=約1.7円)を投資し、グリーンフィールドからデータセンターを設立すると発表した。2025年までに稼働する予定。同日に開催された起工式に主賓として参列したブペンドラ・パテルGJ州首相は「州政府は同社の包括的な進出支援を約束する。本件がGIFTシティーへのさらなる企業進出につながるものと期待する」と述べた。

同社はGIFTシティーに1エーカー(約0.4ヘクタール)の土地を取得し、データセンター認証の最高レベル「Rated-4」(注)の施設を設立し、多様なサービスを提供する。同レベルのデータセンター設置はGJ州で初めて。現在のところ規模は未定だが、計画は複数のフェーズで進め、直接・間接的に1,000人以上の雇用が創出される見込みだ。

また、同社はRated-4レベルの評価を持つアジア最大規模のデータセンター運営会社で、現在はハイデラバード、ムンバイ、ノイダ、ベンガルールなど7都市で11施設を運営している。2024年度には、チェンナイ、コルカタ、ムンバイ、ハイデラバードにさらに5つのデータセンターを設立する計画があるとしている(12月26日「ヒンドゥー・ビジネスライン」、同社HP)。

同社のアニル・ナマ最高情報責任者(CIO)は今回GIFTシティーを進出先に決めた理由として、「GJ州はインド経済の重要な産業拠点で、GIFTシティー周辺はデータサービスにとってビジネスチャンスが大きく、非常に重要な地域だ。また、GIFTシティーはクリーンな環境、火災や洪水、地震などの災害に強い地域であることや、地域ITネットワークの接続状況、電力インフラが整っていること」などを指摘、データセンター開設の基本的条件を満たしていると述べた(12月23日「フィナンシャル・エクスプレス」)。

GJ州は、インドの製造業拠点としても今後ますます重要な位置を占めると考えられている(2023年12月22日記事参照)。さらに、GIFTシティーには大手銀行をはじめ、保険会社、証券取引所、貿易商社、IT関連、サービス業など多様な企業の集積が進むと見られ、信頼できるデータサービスやデジタルインフラ基盤整備のマーケットは今後大きな成長が見込まれている。グローバルな金融ハブとして、多様な発展が見込まれるGIFTシティーは、同社にとって戦略的に重要なロケーションと位置づけられているようだ。

(注)米国通信工業会(TIA)が規定するデータセンターの堅固さなどの認証基準。4段階で分類し、Rated-4は障害耐性が高い施設に付与される。

(古川毅彦)

(インド)

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