1月1日から電気料金を一律10%値上げ

(コートジボワール)

アビジャン発

2024年01月15日

コートジボワール政府は2023年12月26日、2024年1月1日からすべての電気使用契約者に対して一律10%の値上げを実施すると発表した。2023年7月に続いて過去6カ月で2度目の値上げとなる(2023年6月20日記事参照)。

今回の改定に伴い、電気料金の平均販売単価は現行の1キロワット時(kWh)当たり79CFAフラン(約19円、1CFAフラン=約0.24円)から87CFAフラン(約21円)に引き上げられた。政府は、新たなコスト負担が消費者に与える影響を軽減するため、小売業や製造業など民間事業者と協議を開始するとともに、引き続き生活必需品の価格監視をしていくとしている。

ママドゥ・サンガフォワ・クリバリ鉱山・石油・エネルギー相によれば、コートジボワールの電力部門は2011年以降、政府からの継続的な補助金による財政支援を受けてきたが、新型コロナウイルスの流行やロシアによるウクライナ侵攻の影響が顕著になっており、政府が直接コントロールできない発電コストの上昇圧力に伴い、平均発電コストは89CFAフラン/kWhに達し、不均衡に陥っている。2023年単年だけでも、7月に実施した料金改定前の営業損失は1,610億CFAフランと見積もられており、収支バランスを回復するには、電気料金の27%の調整が必要としている。

スレイマン・ディアラスバ商業・産業相は、電力料金の上昇はコートジボワールに限ったことではなく、セネガルでは22%、ガーナでは35~66%、カメルーンでは35%、南アフリカ共和国では41%、フランスでは45%の上昇率となっていると指摘した。

政府は、都市部と遠隔地との電力格差是正のために大規模な投資を実施しており、2011年から現在までに、発電設備容量は1,391メガワット(MW)から2,907MWに増加した。2011年に33%だった全国の電化率は現在87%に達しており、2025年までに人口500人以上のすべての地域を電化する計画だ。電気契約口数は現在、390万口となっている。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール)

ビジネス短信 4d76da9bdfeabfd9