12月の自動車販売、小型車の不調をUVが補い1桁成長続く

(インド)

ベンガルール発

2024年01月19日

インド自動車工業会(SIAM)は1月12日、12月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比3.2%増の24万2,920台で(添付資料表1参照)、2カ月連続で1桁成長だった。前月に続き、小型車を中心とした一般乗用車の落ち込みを好調なUVが補った。なお、表1の数字には含めないが、地場タタ・モーターズの乗用車販売台数を含めると、12月単月の乗用車販売台数は28万6,390台に上る(注)。自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比14.1%増の150万5,445台だった。

同時に発表された2023年(暦年)の年間販売台数は、乗用車が前年比8.2%増の410万1,600台、商用車が同4.8%増の97万8,385台、二輪車が同9.1%増の1,707万5,160台、三輪車が同62.7%増の68万550台だった。SIAMのビノド・アガルワル会長は「2023年は乗用車、商用車、二輪車が1桁台だが成長を記録、三輪車が大幅に好転し、自動車業界にとってある程度満足のいく結果となった。2024年はインド政府の施策も相まって、成長が続くだろう」とコメントした。

12月単月のメーカー別乗用車販売(添付資料表2参照)では、前月からトヨタ・キルロスカと起亜が順位を入れ替えた。首位のマルチ・スズキは10万4,778台で前年同月比6.5%減、現代は4万2,750台で同10.1%増加した。トヨタ・キルロスカは前年同月の2倍となる2万1,363台と大きな伸びを見せた。なお、統計に含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含めて4万3,470台で、前月の3位相当から1つ順位を上げて2位相当につけたもよう(同社発表)。

車種別にみると、先月に続いて小型車の減少が目立つ。乗用車の販売台数首位は変わらずスズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計4万5,741台)だが、前年同月比20.5%減少した。同ミニモデル(「アルト」など計2,557台)は同73.8%減で、前月の車種別3位から4位に順位を落とした。2位につけた現代のコンパクトモデル(「オーラ」など計1万3,633台)も同20.7%減少した。

UVは順調に伸びを見せており、スズキのコンパクトUV(「ブレッツァ」など計2万3,266台)は前年同月の2倍超で、車種別1位を維持した。現代のUV(「エクスター」など計1万7,897台)は同2.1倍で3位につけた。

12月単月の二輪車販売は、前年同月比16.0%増の121万1,966台を記録(添付資料表1、表3参照)。主要部門のオートバイは同6.2%増の76万8,402台。モペッドは同47.5%増の3万8,290台。三輪車販売は前月と同じ伸び幅で、前年同月比30.6%増の5万537台だった。

(注)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体とセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。

(岩井澪佳)

(インド)

ビジネス短信 4524aa486887e333