米財務省、武装組織フーシ派への資金援助に関与の個人・事業体に制裁発動
(米国、イエメン、イラク、トルコ)
ニューヨーク発
2024年01月04日
米国財務省外国資産管理局(OFAC)は12月28日、イエメンの武装組織フーシ派への資金提供を手助けしたとして、1個人と3事業体を金融制裁対象の「特別指定国民(SDN)」に指定した。
SDNに指定したのは、イエメンの首都サナアにある外貨両替者協会の責任者と、イエメンとトルコにある3つの両替所(注1)。財務省は、これらがイランのイスラム革命防衛隊コッズ部隊(IRGC-QF)に所属し、SDNに指定されているサイード・アル・ジャマル氏の指示により、フーシ派へ数百万ドルの送金を手助けしてきたとしている。これにより、制裁対象となった個人・事業体の米国内にある、あるいは米国人(注2)が所有または管理する資産は全て凍結される。制裁対象が直接または間接的に50%以上所有する事業体などの資産も凍結される。さらに、米国人との資金・物品・サービスの取引禁止も科される。
今回の制裁発動に当たり、財務省のブライアン・ネルソン次官(テロ・金融インテリジェンス担当)は「国際海運に対する危険な攻撃を続け、地域をさらに不安定化させる危険を冒すフーシ派へ、不正な資金の流入を制限するというわれわれの決意を強調するものだ」と述べた。
フーシ派は2023年10月以降、紅海などで商船に攻撃を仕掛けており、国際物流に影響が出ている(2023年12月25日記事、2023年12月28日記事参照)。
(注1)今回制裁対象となった個人・事業体の詳細は財務省ウェブサイトを参照。
(注2)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。
(赤平大寿)
(米国、イエメン、イラク、トルコ)
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