自動運転実用化に向けたインフラ整備試験事業を開始
(中国)
上海発
2024年01月24日
中国の工業情報化部、公安部など5部門は1月17日、地方政府や関連機関に向けて「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の「車両、道路、クラウドの統合」の応用試験事業に関する通知」を公布した。通知では、2024年から2026年の2年間、ICVの技術と産業化の発展のため、車両や道路、クラウドの統合システムを構築する試験事業を実施するとしている。必要な管理体制の構築やインフラ整備などを条件として、実施都市を応募する。
試験事業では、試験エリアで第5世代移動通信システム(5G)網や、車両とあらゆるものをつなげる無線通信技術(V2X)などのインフラを構築するとともに、レベル2以上の自動運転機能やV2X機能を搭載した車両の販売を推奨することなどを示している。
また、都市レベルの管理プラットフォームを構築し、車両とクラウド、交通安全管理プラットフォームなどとの相互接続を実現するとしている。ICVの安全監視システムを構築することで、車両状況の把握だけでなく、交通違反処理や事故調査などにも役立てる仕組みも構築するとしている。
大規模実証事業として、公共交通機関や物流配送車などの無人運転や、自動駐車を可能にする駐車場を建設するとしており、新しいビジネスモデルを構築し、ICVの産業化を促進する。
今後、自動運転を活用した都市づくりが進められる見込みだ。中国では2022年5月、日立ソリューションが中国のITS(高度道路交通システム)標準規格に対応させた協調型ITS向け車載通信基盤「V2X Middleware Platform」の販売を開始している。急速に進む中国のコネクテッドカーの開発や自動運転の実用化、スマートシティーの構築に伴い、新たな産業が拡大していく見込みだ。
(神野可奈子)
(中国)
ビジネス短信 4104b334d9273524