明治、広東省広州市で乳製品と菓子の新工場稼働

(中国、日本)

広州発

2024年01月18日

明治は1月12日、中国広東省広州市で乳製品と菓子の新工場を稼働したと発表した。同社は、伸長する中国市場で新たな付加価値商品の提供を通して新市場の開拓を加速するとした。

明治は中国で牛乳・ヨーグルト事業、アイスクリーム事業、菓子事業、栄養事業、業務用食品事業を展開している。牛乳・ヨーグルト事業は、2013年から明治乳業(蘇州)で生産・販売を開始。賞味期限が短いチルド商品の中国での供給エリアを拡大するため、2023年1月に天津、2024年1月に広州で生産拠点の増設を進めた。

同社の発表によると、今回の広州工場の稼働により、蘇州工場と天津工場と合わせて3工場体制となり、当初の1工場体制時と比べ、中国での牛乳・ヨーグルトの生産能力は約4倍となった。これにより、蘇州工場が所在する中国の華東エリア以外の華北エリア、華南エリアへの供給を強化するとしている。菓子事業については、同工場の稼働により中国での菓子事業の生産能力を約2倍に増強し、既存商品に加え、市場のニーズに合わせた新たな商品も生産する予定だ。

食品・飲料水製造分野の外資企業による中国でのサプライチェーン拡大意向は、他産業に比べて高いとの報告もある。匯豊銀行(中国、HSBC Bank China)は2023年11月16日、世界16カ国(注)の3,326社の企業を対象に実施した調査レポート「海外企業が見る中国2023」を発表した。同報告書によると、新型コロナウイルス収束後の中国の景気回復を受けて、87%の企業が中国事業を拡大すると表明した。また、73%が「今後3年間で中国でのサプライチェーンを拡大する予定」と回答した。産業別で見ると、特に製造業にその傾向が強く、74%が「今後3年間で中国でのサプライチェーンを拡大する予定」と回答している。さらに、製造業の中でも、食品・飲料水製造分野の企業のうち86%が「今後3年間で中国でのサプライチェーンを拡大する予定」と回答しており、産業別では最も高い回答率となった。

(注)16カ国は米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、アラブ首長国連邦(UAE)、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、日本、韓国。

(汪涵芷)

(中国、日本)

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