2023年の輸出は衣料品が減少も、電気機器・部品や穀物が増加

(カンボジア)

プノンペン発

2024年01月23日

カンボジア関税消費税総局(GDCE)が1月10日に発表したデータよると、2023年の輸出額は前年比1.8%増の226億4,499万ドル、輸入額は5.0%減の241億8,304万ドルだった。貿易総額は前年に続いて伸び悩んだ。

品目別にみると、カンボジア最大の輸出品目の衣料品の輸出額は78億6,878万ドルだった。新型コロナウイルス禍後の2022年に前年比12.7%増と大きく回復したが、輸出先市場の消費低迷によって2023年は12.9%減に落ち込んだ。一方、2位の電気機器・部品は31億2,991万ドル(前年比56.6%増)、3位の穀物は17億4,819万ドル(45.1%増)で、この2品目が全体の輸出を牽引した。

輸入品目では、輸入額順に鉱物性燃料・石油類が33億8,824万ドル(前年比7.6%減)、ニット・繊維関連が25億9,739万ドル(10.2%減)、電気機器・部品が15億7,663万ドル(7.7%増)だった。車両・部品は13億3,851万ドル(43.6%減)と大幅に下がった。国内での新車市場の伸び悩みが見られるほか、売れ筋の車種が高価格帯のものから低価格のエントリー車にシフトしているとの業界関係者の声もある。

輸出入を国・地域別にみると、最大の輸出先の米国への輸出は88億9,744万ドル(前年比0.8%減)だった。主な対米輸出品目では、衣料品が18.8%減少した一方、2022年6月から関税免除措置が講じられた太陽光パネルを含む電気機器・部品が68.3%増加した。2位のベトナムは29億7,256万ドル(37.1%増)で、主にコメを含む穀物が58.9%増、天然ゴムが47.7%増と好調だった。3位の中国は14億7,874万ドル(19.2%増)で、主力の毛皮製品の輸出が2.2倍になった。

輸入をみると、最大の輸入相手の中国が107億8,609万ドル(前年比3.3%増)だった。主な対中輸入品目はニット・繊維関連製品だ。2位はベトナムで36億1,218万ドル(8.9%減)、3位はタイで28億9,543万ドル(20.5%減)と続いた。両国からの主な輸入品目は鉱物性燃料・石油類で、資源価格が前年に比べて低下したことなどが影響した。

(山口乗子)

(カンボジア)

ビジネス短信 37b3af85c6741266