チリ政府、米グーグルとの連携で南米とアジア大洋州つなぐ海底ケーブル敷設計画を発表

(チリ、米国、オーストラリア)

サンティアゴ発

2024年01月18日

チリ政府は1月11日、南米とアジア大洋州を結ぶ初の海底ケーブル計画「フンボルト」を発表した。チリ国営企業デサロジョ・パイス(Desarrollo País)と米国グーグルとの官民連携により、まずはフランス領ポリネシアを経由して、チリ・バルパライソ~オーストラリア・シドニー間の約1万4,800キロを結ぶネットワークを敷設する。初期段階では5,500万ドルの投資を見込んでいる。

同海底ケーブル構想には、チリの過去2政権が関与している。最初に計画を2016年に発表したのは第2次ミシェル・バチェレ政権だ。その後、第2次セバスティアン・ピニェラ政権時に、チリからの海底ケーブル敷設先はオセアニア、特にオーストラリアとなることが2020年に決定された。以後、チリは戦略的パートナーを模索する中、最終的に現在のガブリエル・ボリッチ政権がグーグルと連携することを選択した(「エル・メルクリオ」1月12日)。同海底ケーブルの敷設開始は2025年を予定しており、2026年末ごろの完成を予定している。

「フンボルト」の発表式典に出席したボリッチ大統領は、今後数カ月以内にグーグルと最終契約を結ぶ予定で、これにより敷設の開始、ケーブル管理の共有、同プロジェクトに期待を寄せている企業や国々に対するケーブル使用権の販売が許可されることになると言及した。ボリッチ大統領はまた、このケーブルの敷設により、南米地域のデジタル活動の中心地としてチリの地位が強化され、何千人もの人々に新たな産業、雇用、より良い労働・生活の機会が開かれることになるだろうとコメントした。

(岡戸美澪)

(チリ、米国、オーストラリア)

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