2023年の英国の新車登録台数は前年比17.9%増、供給制約緩和を受け回復

(英国)

ロンドン発

2024年01月30日

英国自動車製造販売者協会(SMMT)は1月5日、2023年の英国の新車登録台数を発表した。2023年の新車登録台数は前年比17.9%増の190万3,054台だった(添付資料表1参照)。近年の供給制約が徐々に解消していることによって、全体の登録台数が増加したとみている。2023年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年以降で最高となったが、2019年と比べると17.7%減と新型コロナ前の水準には戻っていない。

今回の増加の要因はフリート(社用車など)によるものだ(添付資料表2参照)。フリートの新車登録台数は前年比38.7%増の104万1,350台だったのに対し、自家用車の新車登録台数は0.1%減の81万7,673台、商用車の新車登録台数は1.5%減の4万4,031台だった。

燃料車種別にみると、プラグインハイブリッド車(PHEV)は前年比39.3%増の14万1,311台で、マイルドハイブリッド車(MHEV)ガソリンも32.5%増の29万1,196台だったほか、ハイブリッド車(HEV)は27.1%増の23万8,942台だった(注)。一方、バッテリー電気自動車(BEV)の登録台数は17.9%増の31万4,687台で過去最高となったが、全新車登録台数に占める割合は16.5%と前年より0.1ポイント減少した。ガソリン車の新車登録台数は13.5%増の77万4,484台で最大だが、全新車登録台数に占めるシェアは前年比1.6ポイント低下し40.7%と、依然低下傾向にある。

登録上位車種をみると、米国フォード「プーマ」が4万9,591台で1位となり、前年1位だった日産「キャシュカイ」が4万3,321台で2位に下がった(添付資料表3参照)。BEV部門では、米国テスラ「モデルY」が3万5,899台で前年に続き1位となった。テスラに次いで、中国上海汽車傘下のMG「4」が2万1,715台で2位となった(添付資料表4参照)。

SMMTは2024年の市場拡大を期待しており、2023年10月に発表した2024年の見通しでは約200万台の新車登録を予測している。

(注)SMMTは、電力単体で駆動可能なPHEVに対して、MHEVを電力単体では駆動できないが、電力によるアシストにより燃料効率を上げ二酸化炭素(CO2)排出量を抑制した自動車、HEVをPHEVよりも電力で駆動する距離が短く、ブレーキ時に発生する電気を使用する自動車としている。

(チャウジュリー・クリシュナ)

(英国)

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