11月の輸出入、2カ月連続で前年同月比プラス

(香港)

香港発

2024年01月10日

香港特別行政区政府統計処が12月28日に発表した貿易統計によると、2023年11月の貿易額は、輸出が前年同月比7.4%増の3,866億3,900万香港ドル(約7兆1,142億円、1香港ドル=約18.4円)、輸入が7.1%増の4,145億5,650万香港ドルで、輸出入ともに増加した(添付資料表参照)。輸出、輸入とも2カ月連続でプラスとなった(添付資料図参照)。貿易収支は279億1,750万香港ドルの赤字で、22カ月連続の赤字だった。

主要国・地域別に輸出の動向をみると、最大の輸出先の中国本土が前年同月比15.5%増と、前月(5.6%増)に続いて増加したほか、タイが47.3%増、インドが18.7%増、ベトナムが14.1%増など、アジアの主要地域で増加した。一方、マレーシア(29.1%減)、オランダ(21.8%減)、ドイツ(20.0%減)、日本(14.1%減)は2桁減となった。輸入は、フィリピン(30.1%減)、台湾(8.9%減)がマイナスだったものの、最大の輸入元の中国本土が8.2%増だったほか、ベトナム(39.7%増)、シンガポール(27.1%増)、日本(6.8%増)、米国(5.4%増)などが牽引し、輸入全体ではプラスだった。

香港政府報道官は輸出の状況について「11月は、比較基準となる前年同月が低水準だったため、増加を記録した。中国本土向けが増加したほか、米国向けも小幅に増えた。一方、EU向けは大幅に減少し、他の主要なアジア地域の状況はまちまちだった」と指摘した。今後の見通しについては「地政学的な緊張の高まりと金融引き締めを背景とした厳しい外部環境が短期的には香港の輸出に引き続き重くのしかかるだろう」との見方を示した。

(山口雅史)

(香港)

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