成都市で日本産切り花の展示商談会が開催

(中国)

成都発

2023年12月14日

一般社団法人全国花き輸出拡大協議会は、12月8日から9日までの間、中国・成都市春熙路にある「niko and...成都時代百盛店」で日本産切り花展示商談会を開催した。同商談会は、日本と成都の直行便を利用することで、輸送に係る日数が大幅に短縮し、日本産切り花を産地からより鮮度の良い状態で届けることができることを伝える主旨で開催された。

商談会では、冒頭に日本のフラワーデザイナーが日本産切り花の特徴を説明しながら、実際に日本産切り花を使用したブーケを作成したところ、来場者から大きな関心が寄せられた。また、同法人の会員で日本産の切り花を中国に輸出しているFLOWER KINGが高知県産のグロリオサ、岡山県産のスイートピーなど輸出に適した季節の旬の切り花を多数展示した。成都市内のフラワーショップ経営者、フワラーデザイナー、フラワー教室の関係者などのバイヤーが約120人訪れた。

来場したフラワーショップ経営者からは「日本産切り花は中国産切り花と品質が全く違う。これまで輸入切り花を購入するために雲南省・昆明市の花市場まで出かけていたが、成都市内で調達できるなら便利だ。自社のブランドを確立し、他社と差別化するためにも日本産切り花を使用してみたい」との声が聞かれた。また、来場したフラワー教室の関係者は「輸入切り花を購入する際には個別に発注する必要があったため、手元に届くまで時間もコストもかかっていた。例えば、成都でその時期に手に入る日本産の切り花をデジタルカタログから注文できるようになるとありがたい」と話した。

FLOWER KINGの遠藤大輔代表取締役は「これまで成都には北京か上海に空路で輸入した切り花を国内便に移し替えて送っていたため、時間もコストもかかっていた。今回の商談会の感触を踏まえ、今後はさらに鮮度を保ちコストも抑えられるよう、成都に倉庫を常設し、日本からの直行便で成都に切り花を輸送するようなビジネスモデルを検討したい」と語った。

日本からの切り花の国・地域別の輸出の内訳をみると、中国が最大の輸出先となっており、2022年の輸出額は6億8,000万円と切り花の輸出額の45.2%を占めている。これまでは、日本産の切り花は北京や上海の沿岸部に主に輸出していたが、今後、成都など内陸に直接輸出ができるようになれば、さらなる輸出の拡大が期待される。

写真 展示された日本産の切り花(ジェトロ撮影)

展示された日本産の切り花(ジェトロ撮影)

写真 フラワーデザイナーによる実演の様子(ジェトロ撮影)

フラワーデザイナーによる実演の様子(ジェトロ撮影)

写真 商談の様子(ジェトロ撮影)

商談の様子(ジェトロ撮影)

(内田剛)

(中国)

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