第3次モラビエツキ政権発足も短命に終わる見通し

(ポーランド)

ワルシャワ発

2023年12月05日

ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、10月15日の総選挙(上院100議席、下院460議席)の結果、第1党となった保守政党「法と正義(PiS)」(2023年10月23日記事参照)のマテウシュ・モラビエツキ首相に組閣を指示し、11月27日に就任宣誓式を経て新政権が樹立された(添付資料表参照)(政府プレスリリース、ポーランド語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。しかし、同首相による第3次内閣は、短命に終わる見通しだ。

モラビエツキ首相は就任宣誓後、14日以内に政策を発表し、議会で信任投票を受ける必要があるが、下院選挙で過半数を獲得できず、連立政権樹立もかなわなかったため不信任となる可能性が高い。その場合、下院は2週間以内に新たに首相候補を提案し、再度、下院の信任投票を受けることになる(「ロイター通信」11月22日、「ポ―ランド通信社(PAP)」11月27日)。

下院選挙で第2党となった「市民連立(KO)」(注)は、11月10日に「第3の道」と「新左派」と連立協定を締結し、「市民プラットフォーム」の党首ドナルド・トゥスク氏〔欧州理事会(EU首脳会議)の前常任議長およびポーランドの元首相〕を首相候補に挙げることにしている。野党連合は下院選挙で合計248議席を獲得し、半数の230議席を超えているため、連立政権を発足させる公算が大きい。

(注)市民プラットフォーム(PO)および少数政党による連合。

(柴田紗英、マルタ・ゴロンカ)

(ポーランド)

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