11月の越境EC取引件数、前月比66%減、新商業大臣規定が影響か

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年12月15日

インドネシア財務省関税局は12月5日、2023年11月の越境電子商取引(EC)による輸入件数が10月の107万件から大きく落ち込み、前月比66%減の36万件だったと発表した(「コンタン」12月6日)。インドネシア商業省は9月26日に商業大臣規定2023年第31号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)にてFOB価格100ドル以上の商品のみ輸入を許可し、100ドル未満の商品の販売を禁止することなどが定められていた(2023年10月4日記事参照)。今回の減少は、同規定の施行による影響とみられる。

関税局のアスコラニ局長によると、越境ECによる輸入額は10月には6,980万ドルだったが、11月は5,879万ドルとなり、前月比で16%減少した。

コンタン紙によると、商業省国内貿易局長のイシー・カリム氏は11月2日、単価100ドル未満でも例外的に輸入を許可する商品について、現在、政府が商業大臣規定の草案を作成している段階だとし、書籍、映画、ソフトウエア、音楽の4分野において、輸入品目ごとに8桁のHSコードごと細分化し、合計23種類が定められる見込みだと述べていた。

電子商取引物流業者協会(APLE)のソニー・ハルソノ会長は11月22日、上記の商業大臣規定について「電子商取引による輸入を禁止することがもたらす潜在的な効果を示す明確な根拠がない」と述べるほか、同規定の影響で、空港、宅配業、倉庫業など物流業で働く約5,000人が解雇されたとして、同規定の取り消しを求めている(「トリブン」11月22日)。

また、インドネシア経済法律研究センター(CELIOS)のビマ・ユディスティラ所長も「規定は中小零細企業の関係者に悪影響をもたらすだけでなく、州の歳入を減らす可能性がある」として、同規定を見直す必要性を指摘している(「リパブリカ」11月22日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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