米連邦道路局、EV充電器の標準化に向け情報提供依頼書を発行へ

(米国)

調査部米州課

2023年12月27日

米国運輸省連邦道路局(FHWA)は12月19日、電気自動車(EV)充電器に関する情報提供依頼書(RFI)を近く発行すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。便利で信頼できる米国製のEV充電器の全国ネットワーク構築に向け、新技術と継続的な技術革新を可能とするEV充電ステーションの最低限の標準と要件の更新に対し、FHWAが関係者のフィードバックを求めるものだ。

FHWAは、急速に進歩する技術に柔軟かつ素早く対応できるよう、連邦政府の資金提供を受ける充電器の最低限の標準と要件を設定する。これは、信頼できる消費者エクスペリエンスを全米で確保するための標準を設定するとともに、発展途上の業界に技術革新の余地を作るためだ。

EV 充電の新しい標準としては、自動車技術者協会(SAE、注)が発行するJ3400規格の実装により、どのサプライヤーやメーカーも、テスラが開発した北米充電規格(NACS)コネクターを使用、展開可能となる。自動車メーカーの多くは2025年から販売する新車両に採用し、既存の販売車両に対しては早ければ2024年春に車両所有者へのコネクター変換アダプターの提供を発表している。米運輸省とエネルギー省の合同事務局はSAEと協力して、前例のない早さで標準化の手順と日程を策定した。今回のFHWAによるRFIは、J3400のような新たな規格が将来にも最低限の標準・要件として取り込まれることを確実にすることを狙いとする。

FHWAのシャイレン・バット局長は「EV充電技術は急速に発展しており、連邦政府が技術革新の余地を持つことは重要だ。われわれは全米のEV充電ネットワークが全ての車種のEV運転者のニーズを満たすべく、連邦政府、州政府、地域のパートナー、民間と手を携えて進めていく」と述べている。

SAEは12月19日にEV充電のNACS標準化に向け、技術情報報告書を発表しており、SAE規格のJ3400は2024年秋にリリースの予定という(2023年12月20日記事参照)。

(注)航空宇宙、自動車、商用車業界の12万8,000人を超えるエンジニア、関連技術の専門家が所属する非営利団体

(見並一明)

(米国)

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