四川省政府、消費の回復・拡大に向け22項目の措置、デジタル消費などが課題に

(中国)

成都発

2023年12月07日

中国の四川省政府は11月27日、「消費の回復・拡大に関する措置」を発表した。国務院が7月28日に公表した同措置(2023年8月2日記事参照)に基づき、四川省の現状に沿って定めた。

措置は全22項目からなり、主な対象は(1)自動車、(2)住宅、家具・インテリア、電子製品、(3)飲食サービス、観光(4)文化・娯楽・スポーツ・展示会、(5)ヘルスケア、(6)農村関連、(7)新市場開拓、(8)消費インフラの建設などとなっている。

自動車については、新エネルギー車の消費拡大のため、充電インフラの整備や、中古車の買い換えなどを推進する。また、中古車の登録地域制限の緩和や、中古車の輸出プロセスの簡素化についても言及している。

住宅に関しては、農村部の低所得者向けの住宅保証を強化し、住居の確保が困難な人々の問題を解決する。そのほか、家具の新規購入時には補助金を交付することや、インテリア用品の販売促進向けイベントの開催をサポートすることなどを盛り込んだ。

飲食サービスでは、四川料理の魅力と食文化を伝えるために、美食フェスティバルの開催や飲食業の省外進出を支援する。観光では、観光消費の促進に向けて、複数の観光エリアで使用できるチケットの発行などを行う。

文化・娯楽・スポーツ・展示会については、四川省の重大文化芸術プロジェクトを支援し、中国西部国際博覧会や、中国最大規模の食品・酒類展示会「糖酒会」などの内容をより充実させる。

ヘルスケアでは、新しい病院の建設を進め、東洋医学と西洋医学を同等に重視する。介護サービスも充実させるために、成都市を中心とした国際的な高齢者消費センターを建設する。

農村関連では、県ごとの物流システムを構築し、物流インフラを整備する。また、特産農産物の消費拡大のため、農村での越境EC(電子商取引)を推進する。

新市場開拓では、デジタル消費とグリーン消費の拡大を図る。デジタルインフラ整備を行い、ネットワーク環境の高速化を試みる。グリーン消費については、グリーン・低炭素排出製品の生産の拡大と普及を促進する。

四川省政府は、地域ごとの特徴を生かして効果的な取り組みを行い、同省の消費回復につなげるとしている。

(王慧シン)

(中国)

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