インダス・モーター、国内初の現地生産HEVを販売開始

(パキスタン)

カラチ発

2023年12月27日

トヨタ自動車のパキスタン合弁会社インダス・モーター・カンパニー(IMC)は12月18日、パキスタン初の現地生産ハイブリッド車(HEV)の販売を開始した。車種は、1800ccガソリンエンジンに第4世代トヨタ・ハイブリッド・システム(THS)を搭載したカローラクロスだ。同社ウェブサイトによると、価格は「カローラクロス1.8 HEV」モデルで939万9,000パキスタン・ルピー(税込み、約479万円、1ルピー=約0.5円)、上級モデルの「同1.8 HEV X」が984万9,000ルピーとなっている。

トヨタ自動車は2021年9月に、2023年内の生産開始を目指してパキスタンでのHEV生産に3年間で1億ドルを投資すると発表していた(2021年9月15日記事参照)。IMC副会長の柳伸治氏は12月20日、ジェトロの取材に対して「国の外貨不足で製造設備の輸入が遅れたが、何とか当初計画どおり、HEVの生産を2023年中に開始できた。カローラクロスHEVは、パキスタンの経済と環境に貢献できるものと確信している」と語った。

連邦政府が2020年に発表した「2020-2025年EVと新技術政策PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」では、電気自動車(EV)のみならず、全てのタイプのHEVや燃料電池車などの電動車を対象に含めた。さらに、2021年7月にはEVとHEVに各種減税を行い、特にHEVについては、売上税率を通常の17%から8.5%へと大幅に引き下げた(2021年6月22日記事参照)。パキスタンは充電インフラがほとんど普及しておらず、電気料金も非常に高いため、EVよりもHEVが普及するとみられている。

IMCはこれに先立って12月6日、カラチの工場で第1号車の完成を祝うラインオフ式典を開催した。式典には、和田充広・駐パキスタン大使のほか、トヨタダイハツE&M(TDEM)取締役副社長の高井良之氏や、トヨタ自動車元町工場長の宮部義久氏、IMCの合弁パートナーでもある豊田通商モビリティ本部最高執行責任者の江積哲也氏らが出席。パキスタン側からは、産業生産省次官のアサド・レーマン・ギラーニ氏やIMC会長のモハメダリ・R. ハビブ氏らが参加した。

写真 第1号車の完成を祝うラインオフ式典(IMC社提供)

第1号車の完成を祝うラインオフ式典(IMC社提供)

(山口和紀)

(パキスタン)

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