第3四半期GDP成長率は前年同期比2%、個人消費とコモディティ輸出が成長を下支え

(ブラジル)

サンパウロ発

2023年12月15日

ブラジル地理統計院(IBGE)は12月5日、2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を発表した。前年同期比2.0%、前期比(季節調整済み)は0.1%だった(添付資料表参照)。

需要項目別にみるとGDPの6割以上を占める個人消費支出が前年同期比3.3%増加した。その要因についてIBGEは、低所得者向け現金給付プログラムの実施や労働市場状況の改善などが寄与したと説明している。また、財・サービス輸出が10.0%増と大きく増加した。企画・予算省傘下の応用経済研究所(IPEA)が12月7日に発表した報告書によれば、ブラジルのコモディティ(特に石油と鉄鉱石)への高い需要が押し上げ要因となった。

前年同期比を産業別にみると、農畜産業が8.8%増、工業が1.0%増、サービス業が1.8%増だった。IBGEは、農畜産業が好調だった理由として、豊作だったトウモロコシ(19.5%増)、サトウキビ(13.1%増)、綿(12.5%増)、そしてコーヒー豆(6.9%増)が影響したことを挙げている。工業では、電気・ガス・上下水道・都市清掃が7.3%増加したことが主な押し上げ要因となった。IBGEのレベッカ・パリス国民経済計算コーディネーターによると、「今年は非常に暑いため、電気と水道の消費も多くなっている」という。サービス業は、金融仲介・保険(7.0%増)、不動産(3.6%増)、情報サービス(1.6%増)と、多数の分野で伸びがみられた。IPEAは、個人消費支出の増加がサービス業の伸びを支えたと説明している。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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