モザンビークがCOP28でエネルギー転換戦略を発表、電源開発協定も締結

(モザンビーク)

マプト発

2023年12月14日

アラブ首長国連邦(UAE)開催の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28、2023年12月1日記事参照)に参加したモザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は12月2日、サイドイベントにおいて同国のエネルギー転換戦略を発表した。

同戦略は11月21日に閣議決定されたもので、官報は今後、公開される予定だ。モザンビーク国家石油院(INP)によると、同戦略が最優先する4つの柱として、(1)再生可能エネルギーに基づく近代的エネルギーシステム、(2)グリーン産業化、(3)エネルギーへの普遍的アクセス、(4)輸送分野におけるクリーンエネルギーの利用を挙げている。また、これらに続く取り組みとして、国産天然ガスの活用計画、鉱物資源依存からの段階的な脱却、採掘産業の脱炭素化および水素製造戦略の策定が挙がった。モザンビーク政府は同戦略を実施するために、2050年までに800億ドルの投資が必要と見込んでいる。

なお、今回のエネルギー転換戦略発表に呼応するかたちで、モザンビークの電源開発に関する複数の協力合意の締結も発表された。モザンビーク国立投資銀行(BNI)は12月4日、同国のハイドロパワーとアメアパワー(アラブ首長国連邦、注)との3者間で、マタンボ太陽光発電所(テテ州)の共同開発契約を締結した。BNIによると、同発電所は年間最大発電容量125~200メガワットピーク(MWp)で、開発コストは1億5,000万~2億5,000万ドルと見られている。

さらに12月5日には、モザンビーク電力公社(EDM)と、アフリカ開発銀行が主導する開発投資プラットフォーム「アフリカ50」との間で、3つの太陽光発電所建設と送電網開発に関する計4つの協定が締結された。太陽光発電所は、カーボデルガード州モンテプエス(発電容量100メガワット)、ナンプラ州アンゴシェ(60メガワット)、マニカ州チカンバ水力発電所貯水池の水上太陽光発電所(100メガワット)の開発に関するものだ。送電網開発は、モザンビーク北、中、南部3カ所の計557キロメートルを対象としている。

(注)アメアパワーは2023年7月、日本のソフトバンクグループから7,500万ドルの資金調達を発表している。

(松永篤)

(モザンビーク)

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