シンガポールで日本産緑茶PRイベント開催

(シンガポール)

シンガポール発

2023年12月15日

在シンガポール日本大使館、ジェトロおよび日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は11月25日、公益社団法人日本茶業中央会の協力のもと、在シンガポール日本大使公邸において日本産緑茶の販売促進イベント「Serenity With Every Sip~Discover the In-depth World of Japanese Green Tea」を開催した。

同イベントは、高級日本産緑茶を購入することが想定される富裕層の消費者に対して日本産緑茶の魅力を発信し、シンガポール国内の既存事業者による商流を介して高級日本産緑茶の需要を喚起する目的で開催したもの。日本全国から、農林水産省地方農政局およびジェトロの貿易情報センターを通じて募集した茶14種類と茶菓子12種類を、来場者87人に提供した。会場では、茶道家による抹茶体験の提供や煎茶の入れ方講座などの日本茶文化を体験できるコーナーを設けたほか、静岡県の緑茶製造事業者2社による緑茶のPRなども実施した。

来場者からは、「さまざまなお茶を体験できたことは魅力的だった」「このようなイベントを定期的に開催してほしい」との声があった。参加した日本茶業中央会の江下以知子輸出担当課長はイベントについて、「シンガポールの消費者の緑茶に対する理解度の高さが感じられ、より高品質な日本茶をシンガポールで販売していくという輸出戦略の方向性に確信が持てた」と今後の日本茶輸出への手応えを述べた。

シンガポールには現在も市場に緑茶が流通しているが、ボトル飲料や、ティーバッグの製品が中心。日本産緑茶の輸出拡大に向けて、茶葉から急須で入れた緑茶を普及させる目的で、産地や入れ方に関する情報も製品情報と同時に発信するため、本イベントを開催した。来場者には、ウェルカム・ドリンクとして提供したスパークリング・ティーや静岡県で2023年に収穫された茶葉を用いた新茶、梨や芋(いも)を使用した和菓子などが特に人気だった。イベントで提供した茶と茶菓子のほとんどは現在、シンガポール国内では流通していないが、来場者に好評だった製品は今後、日本から同国内の事業者を通じて輸出を検討している。

写真 茶道家による抹茶提供の様子(ジェトロ撮影)

茶道家による抹茶提供の様子(ジェトロ撮影)

写真 会場での緑茶および茶菓子提供の様子(ジェトロ撮影)

会場での緑茶および茶菓子提供の様子(ジェトロ撮影)

(糸川更恵)

(シンガポール)

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