日本産コメ・水産物の普及イベントをジッダで開催

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2023年12月19日

ジェトロは12月6日、サウジアラビア・ジッダで日本産のコメ・水産物を使った料理を地元の食品卸やレストラン関係者などに試食してもらうプロモーションイベントを、全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(以下、全米輸)と共催で開催した。

全米輸はサウジアラビアにビジネスミッションを派遣し、プロモーションイベントには日本のコメ事業者5社が参加した。会場は2019年にオープンした「Fujiレストラン」で、日本人シェフによる質の高い日本料理をメニューとして提供している。全米輸による同イベントは、2022年のリヤド開催に続き今回が2回目となる。

イベント当日は、日本食材に関心がある地元の輸入業者、卸業者、レストラン関係者、プレスなどから約12人が参加し、日本産食品を求めるバイヤーと日本のコメ事業者との商談・意見交換が活発に行われた。

参加者は、おにぎりや米ドリンク、米菓など日本のコメ事業者5社の商品を試食し、併せて提供された北海道産ホタテやマグロ、ブリなどの水産品料理を味わった。また、イベントには岩井文男駐サウジアラビア日本大使も参加し、同大使からコメの歴史と水産品の魅力などを紹介した。

提供した試食料理のメニューは、日本企業が持参した日本産米のほか、現地輸入業者が卸している日本産水産物などの食材を使い、日本産カニカマと鰹節(かつおぶし)、昆布を使用した和風スープ、ホタテのカルパッチョ、マグロとブリの和(あ)え物、マグロのガーリックバター焼き、おにぎり、日本産和牛丼など。また、ノンアルコール米飲料、米菓なども提供した。

イベント後には、現地側参加者にアンケートを実施したところ、全員が「今後、日本産水産品の利用を考えている」と回答した。バイヤーからは「日本の水産品は高価格だが、他国の商品に比べて高品質かつ非常においしい。今後、より多くの商品を取り扱いたいと考えている」と前向きなコメントが多数寄せられた。一方、「日本食材は関税や輸送コストが賦課されるため全体的に価格が高い。サウジアラビア人は価格にシビアな面がある。品質は問題ないが、価格面をクリアできるかどうか」との意見もあった。レストランシェフからは「日本食レストランで働いている多くのシェフは日本食材・調理方法を知らない。ホタテは蒸し・揚げるなどの調理方法もあるが、シェフの多くは、そのことを知らない。レストランシェフ向けの啓発活動が必要だ」との意見も寄せられた。

写真 試食用ホタテのカルパッチョ(ジェトロ撮影)

試食用ホタテのカルパッチョ(ジェトロ撮影)

写真 試食用おにぎり、マグロのガーリックバター焼き、マグロとブリの和え物(ジェトロ撮影)

試食用おにぎり、マグロのガーリックバター焼き、マグロとブリの和え物(ジェトロ撮影)

写真 試食用日本産和牛丼(ジェトロ撮影)

試食用日本産和牛丼(ジェトロ撮影)

(林憲忠)

(サウジアラビア、日本)

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