上海汽車、インドJSWグループと戦略提携、インド事業強化を図る

(中国、インド)

上海発

2023年12月07日

中国自動車大手の上海汽車(SAIC)は11月30日、インドの鉄鋼メーカーJSWグループと戦略的協力協定を締結したと発表した。急成長するインド自動車市場の事業強化のため、上海汽車はJSWグループから増資を受け入れ、市場シェア拡大で協力する。JSWグループは上海汽車傘下のMGモーターインド法人(MGインド)に増資し、出資比率は35%となる見通しだ。

上海汽車はインド市場の発展の可能性を指摘した上で、両社は協力してよりグリーンでスマートなモビリティー製品・サービスを創造し、ブランドの影響力と市場シェアを継続的に拡大することを目指すとした。

JSWグループのパース・ジンダル氏は「今回の戦略提携では、次世代インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV、注)、内燃機関車の商品リリースを含め、グリーン交通ソリューションの創出に重点を置く。合弁会社の主な目標は、EV(電気自動車)のエコシステムを構築し、市場で主導的な地位を占めることだ。MGインドをインドで最も大きな自動車企業の1つに発展させることを期待している」と述べた。

上海汽車は2017年に32億7,500万元(約687億7,500万円、1元=約21円)を投資し、MGインドを設立した。2019年に車種「MG Hector」をリリースした後、販売台数は毎年増加している。2023年1~10月の自動車販売台数は前年同期比29.7%増の5万2,000台で、インドの自動車市場で8位、新エネ自動車市場で2位となった。

(注)ICV(Intelligent Connected Vehicle)は人工知能(AI)や高度の通信技術を導入し、安全性や効率性の高い自動運転を可能とする自動車の総称。

(龐婷婷)

(中国、インド)

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