香港、10月の小売売上高は前年同月比5.6%増
(香港)
香港発
2023年12月13日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は11月30日、10月の小売売上高(速報値)を前年同月比5.6%増の337億7,000万香港ドル(約6,416億円、1香港ドル=約19円)と発表した(添付資料図参照)。11カ月連続で前年同月比プラスとなった。
同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比8.4%増の37億1,700万香港ドルで、小売売上高全体の11.0%を占めた。
品目別にみると、増加幅が最大だったのは「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比27.4%増の51億香港ドルとなった。次に増加幅が大きかったのは「衣類、靴および関連製品」で、25.2%増の34億9,400万香港ドルだった。「食品、酒類、たばこ」(注1)も増加を示し、1.3%増の30億8,300万香港ドルとなった。一方で、「燃料」は17.3%減の8億6,100万香港ドルと、7カ月連続でマイナスになった。
業態別にみると、「百貨店」は1.0%増の28億3,800万香港ドルと増加した。また、「スーパーマーケット」(注2)は、5.8%減の42億7,600万香港ドルだった(添付資料表参照)。
香港政府報道官は10月の小売売上高について、「来港観光客数の継続的な回復により、前年同月比ではさらなる増加を示した」と述べた。同報道官は、今後の小売売上高の見通しについて「来港観光客数のさらなる回復が小売業界に恩恵をもたらすことが期待され、継続的な家計所得の増加や、『香港夜繽粉(ナイトバイブス香港)』(注3)などの経済活性化策も下支えするだろう。一方で、金融引き締めと経済見通しの不確実性が消費者心理にマイナスの影響を与えるだろう」との見解を示した。
香港小売管理協会の謝邱安儀主席は、クリスマス休暇で多くの香港在住者が域内を不在とすることが予想される中、「70%以上の小売業者は懸念を示している」と指摘した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」12月1日)。
(注1)スーパーマーケット以外での売上高。
(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。
(注3)市民や観光客に夜の外出を促し、ナイトビジネスの経済活性化を目的として、香港政府が9月14日に公表したキャンペーン。9月からの中秋節と国慶節から2024年の年初まで香港全域で実施され、ビクトリア・ハーバーなどでさまざまなイベントが開催される。そのほか、域内のレストランやバーを対象としたプロモーション、映画館でのレイトショーの割引、美術館や博物館の開館時間の延長なども行われる。同キャンペーンについての詳細は、香港政府のポータルサイトで確認できる。
(横田覚)
(香港)
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