欧州中央銀行、2会合連続で主要政策金利を据え置き

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2023年12月15日

欧州中央銀行(ECB)は12月14日、フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、3つの主要金利の据え置きを決定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。10月26日に開催された前回会合(2023年10月27日記事参照)に続き、2会合連続の据え置きとなる。主要金利はそれぞれ、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は4.50%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は4.75%、預金ファシリティー金利は4.00%が維持される。

ECBは、インフレ率はここ数カ月低下し、短期的には再度一時的に上昇する可能性が高いが、2024年にかけて徐々に低下し、2025年には目標の2%に近づくと予測した。過去の金利引き上げが経済に力強く浸透し、融資条件の引き締めが需要を減退させ、これがインフレ率の押し下げに寄与しているとした。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で「基調的なインフレは緩和した」としつつも、「賃金上昇の力強い伸びが主因となり、国内物価上昇圧力は依然として高い」とした。また、現在の主要金利が十分な期間維持されれば、インフレ率2%の目標達成に貢献する水準にあるとし、今後の金利決定については、マクロ経済・金融データ、基調的なインフレ率の推移、金融政策に照らしたインフレ見通しの評価に基づいて実施することを強調した。金利引き下げのタイミングや下げ幅に関する記者の質問には、前回会合同様に「今回の会合では引き下げの議論は全くしていない」と答えた。

(作山直樹)

(EU、ユーロ圏)

ビジネス短信 95206e0c447cc097