イスラエルとハマスの戦闘が再開、COP28で各国首脳らが言及

(イスラエル、パレスチナ、カタール、アラブ首長国連邦、フランス、米国)

テルアビブ発

2023年12月04日

イスラエルとハマスの戦闘休止は、12月1日午前7時で終了した(2023年12月1日記事参照)。

イスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは12月1日、「ハマスが戦闘休止合意に違反し、人質の女性全員を解放する義務を果たさずに、イスラエル国民に向けてロケット弾を発射した」とハマスを非難した上で、イスラエル政府は戦闘再開に際し、「人質の解放、ハマスの壊滅、ガザが再びイスラエル住民の脅威とならないようにする」という目標達成のために尽力していることを強調した。

戦闘休止の終了を受けて、カタール外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは12月1日、イスラエルがガザ地区に対する攻撃を再開したことに深い遺憾の意を表明した。その上で、イスラエルとハマスと交渉は継続されているとしたが、イスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは2日、交渉の行き詰まりとベンヤミン・ネタニヤフ首相の指示に基づき、諜報機関モサドのデビッド・バルネア長官がカタールのドーハにいる交渉チームに対し、イスラエルに戻るよう命じたことを明らかにした。

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)でも、戦闘再開に対する発言が各国首脳らから聞かれた。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は12月2日の記者会見の質疑応答の中で、「われわれはイスラエルの権利を認めるが、住民を攻撃する権利にはなり得ない」とイスラエルの対応を批判した。また、「イスラエル当局は目的をより正確に定義しなければならない段階にきている」と指摘し、ハマスの完全破壊が目標なら「戦争は10年続くだろう」と述べた。

写真 記者会見後にインタビューに答えるフランスのマクロン大統領(ジェトロ撮影)

記者会見後にインタビューに答えるフランスのマクロン大統領(ジェトロ撮影)

米国のカマラ・ハリス副大統領は12月2日、COP28のセッション後に記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行い、「イスラエルには自国を防衛する権利がある」としながらも、「国際人道法は尊重されなければならない。あまりにも多くの罪のないパレスチナ人が殺されている」と指摘した。

写真 COP28の首脳級会合で演説するハリス米副大統領(ジェトロ撮影)

COP28の首脳級会合で演説するハリス米副大統領(ジェトロ撮影)

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、カタール、アラブ首長国連邦、フランス、米国)

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