11月30日にハマスは8人の人質解放も、12月1日に戦闘再開
(イスラエル、パレスチナ、カタール、米国)
テルアビブ発
2023年12月01日
イスラエルとハマスの戦闘休止は11月30日に1日再延長された。イスラエル首相府のX(旧ツイッター)への投稿によると、ハマスは30日にイスラエル人8人を解放した。イスラエル監獄局はパレスチナ人30人を釈放した。
休戦合意では、ハマスは1日に10人以上の人質を解放することになっているが、カタール外務省のXへの投稿によると、11月29日に解放されたイスラエルとロシアの二重国籍者2人(2023年11月30日記事参照)が30日の人数に含まれることを明らかにした。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は11月30日にイスラエルとパレスチナ自治区のヨルダン川西岸を訪問し、イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領らや、パレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバース議長と会談した。
ブリンケン長官は一連の会談終了後に記者会見を行い、「当面の焦点は、(パレスチナ自治区の)ガザからより多くの人質を救出し、より多くの支援を継続できるよう、戦争休止を延長するために、パートナーと協力することだ」と述べた。また、ハマスが人質解放を停止した場合、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はハマスに対する軍事作戦を再開する意向であること(2023年11月30日記事参照)について、ブリンケン長官は「イスラエルは、ハマスが10月7日に行った虐殺が二度と繰り返されないよう、あらゆる手段を講じる権利がある」と述べつつ、「イスラエルが大規模な軍事作戦を再開する前に、罪のないパレスチナ人のさらなる犠牲を最小限に抑える人道的な民間人保護計画を実施しなければならない」とした。同長官はイスラエル側に対し、ガザ市民が銃撃戦に巻き込まれることのない地域や場所を明確かつ正確に指定するなど、ガザ市民の生命を守るためのより効果的な措置を講じることを求めた。
なお、12月1日現地時間午前7時過ぎのイスラエル国防軍(IDF)のXへの投稿によると、ハマスがイスラエル領に対して発砲したことを受け、IDFは戦闘を再開したとしている。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、カタール、米国)
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