欧州最大級のスポーツ用品見本市に日本のスポーツ庁が出展

(ドイツ、日本)

ミュンヘン発

2023年12月21日

欧州で最大級のスポーツとアウトドアの国際見本市「ISPOミュンヘン2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が11月28~30日にドイツ・バイエルン州のミュンヘンで開催され、2,800社以上が出展し、スポーツ用品やスポーツシューズ、スポーツファッションなどを売り込んだ。例年約120カ国から約8万5,000人が来場している。

出展社を分野別にみると、スポーツファッション・アクセサリーが829社で最大、アウトドア748社、ウインタースポーツ487社、フィットネス・ウェルネス466社、陸上競技関連354社と続いた。主催者によると、今回の出展社数は前回(2022年12月5日記事参照)より57%多く、ドイツ国外(54カ国)からは前回比64%増と大きく増え、全体に占める割合が93%となった。特に前回は新型コロナウイルス感染拡大による渡航規制で少なかった中国からの出展社が1,000弱と全体の約4割を占めた。中国のほか、スカンジナビア諸国やフランス、ポルトガルなどの欧州諸国、台湾や韓国、インドなどアジアの国・地域が共同ブースを構えた。

日本から直接出展した企業・機関は18社だった。今回初めて出展したスポーツ庁は2021年度からスポーツ産業の国際展開促進事業を実施している。同庁によると、国際展開の重点地域は欧州とASEANで、欧州はこれからパリ・オリンピック、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックを控えスポーツ市場のさらなる盛り上がりが期待され、日本企業にとっても重要な市場という。ブースでは、日本のスポーツ産業の国際展開を支援するプラットフォーム「JSPIN外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を紹介したほか、日本企業の出展を支援した。出展した1社の山本化学工業は、ウエットスーツ用の高機能ゴム素材「AURORA」を展示。断熱性と柔軟性に優れ、光の当たり具合によって色が変わるファッショナブルな素材は、今回のISPOの新素材アワードで最優秀賞外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを受賞した。

写真 初出展となったスポーツ庁のブース(ジェトロ撮影)

初出展となったスポーツ庁のブース(ジェトロ撮影)

出展した日本企業からは、「欧米市場で事業を展開し、米国では特定分野のイベントに参加しているが、ISPOミュンヘンはスポーツ産業全般の来場者が期待でき、欧州ではこの見本市のみに出展している」「出展社、来場者ともに前年よりも多いが、新型コロナ禍前に比べるとまだ少ない。欧州大手メーカーの中には出展を控えているところもある印象」「スポーツ用品業界でもサステナビリティーへの関心が高く、製造過程の環境配慮への説明を求められる」といった声が聞かれた。

(鷲澤純)

(ドイツ、日本)

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