中国のコーヒー店舗数が世界最多に、米国を抜く

(中国)

上海発

2023年12月21日

英国の調査会社ワールド・コーヒー・ポータルは11月30日、東アジア(注1)のコーヒーチェーン店市場を分析した「プロジェクト・カフェ・イースト・アジア2024」を発行した(注2)。同社は12月12日に公表したレポートの概要で、東アジアのコーヒーチェーン店舗数が11万9,221店に達し、そのうち中国は4万9,691店で、市場全体の約42%を占めたとの推計を示した。また、中国がコーヒーチェーン店数で、米国を抜いて世界最多となったと発表した。

同レポートによると、東アジアのコーヒーチェーン店数は、米国のスターバックスが1万3,524店で第1位となったが、中国の瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)が1万3,296店で2位と僅差で続いた。また、中国の庫迪咖啡(コッティコーヒー)が6,066店で3位だった。コッティコーヒーは、ラッキンコーヒーの創業者が2022年に設立したブランドで、低価格な商品を提供し、創業約1年で急激に店舗数を増やしている。韓国やインドネシア、日本などへも進出しており、国外展開にも力を入れ始めている。

レポートでは、中国のコーヒーチェーン利用者4,000人の調査対象者のうち、90%以上がホットコーヒーを毎週飲み、64%が週に1回はアイスコーヒーを飲むという調査結果を発表した。また、85%以上が過去1年以内に携帯アプリなどを使った事前注文やデリバリーサービスを利用したことがあると答え、57%が来店よりデリバリーを好むという結果になっており、小型店舗形態でデリバリーを中心とする利便性の高いコーヒーショップへの需要が高いことがうかがえる。

中国の店舗数の直近1年の増加率は58%増だが、今後の増加率は2024年に24%、2028年には6%に鈍化すると予測されている。一方、インドネシア、マレーシア、フィリピンでは今後3年間で2桁台の成長が予測されており、東アジア全体としては引き続き好調なコーヒー需要の増加が見込まれるとしている。

(注1)同調査では、東アジア地域として、ブルネイ、カンボジア、中国、東ティモール、香港、インドネシア、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムを調査対象国・地域としている。

(注2)同レポートは有料で提供されている。

(神野可奈子)

(中国)

ビジネス短信 663e26cac99d497f