成都、重慶で加速する公共エリアの自動運転、コネクテッドカー施策
(中国)
成都発
2023年12月04日
中国の成都市と重慶市では、インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の運用に向けた試験的な取り組みが活発に行われている。
工業信息化部、交通運輸部など8部門は11月13日、「公共領域での車両全面電動化の先行区を始動させることに関する通知」を発表した。同通知では、新エネルギー車の市場展開や、低炭素の交通運輸システムの構築のため、成都市や重慶市を含む計15都市をパイロット都市に指定し、活用できる運営モデルを探るとした。パイロット都市選定に当たり、成都市では水力発電量が全国1位で、地方の財政的支援が講じられている点、重慶市では自動車産業の集積地があり、ICV産業発展のポテンシャルが高い点がそれぞれ評価された。
また、工業信息化部、公安部、住宅城郷建設部、交通運輸部の4部門は11月17日、「インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の路上走行実験の展開に関する通知」を発表した。同通知では、ICV振興に当あたり、ICVの安全な運行の確保や、産業の融合的な発展などを目標として、実地調査を通じた課題把握を含む調査・研究や、関連する行政機構や企業からの意見募集などを行うとした。
これらの政策を背景に、成都市と重慶市ではICV普及のための実験をはじめとする具体的な動きがある。
成都経済開発区では、10月30日から四川省では初めてICVを用いた輸送サービスの大規模な試験的運営を始めた。試験運営の実施エリアとして東安湖区と成都経済開発区南区を指定し、20台の自動運転シャトルバスと16台のロボタクシーを運行する。
重慶市では、市政府の関連組織の重慶高新区ICV道路テストおよび応用工作小組が11月13日、ICV車両の路上走行テストのためのナンバープレートを交付した。ナンバープレート発給は13台の自動運転バスと1台の自動運転清掃車で、うち自動運転バスは実際のバス路線に投入されるという。そのほか、重慶市永川区では、中国で初めての自動運転バス路線や、レベル4の無人自動運転のロボタクシーを用いた配車サービスなど、自動運転を活用した各種サービスが展開されている。同区では、自動運転に関するプロジェクトの投資総額が150億元(約3,150億円、1元=約21円)を超えており、2027年までに全国をリードする自動運転イノベーションの模範都市を目指すという(「中国日報」、10月16日)。
(曽小桐)
(中国)
ビジネス短信 61c215a09d0bd5bc