広東省東莞市、半導体産業支援策を発表

(中国)

広州発

2023年12月13日

中国の広東省東莞市発展改革局は11月28日、「半導体・集積回路産業クラスターの発展促進のための措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同措置は半導体・集積回路産業クラスターを形成し、同産業発展の原動力となる産業集積地を構築し、質の高い経済発展を促進するために制定した。同日から3年間実施する。

主な措置は次のとおり。

(1)企業の誘致・育成を支援する。松山湖片区、濱海湾新区、臨深新一代電子情報産業基地で産業集積エリアを造成し、ハイエンドチップの開発推進、先進のパッケージングとテストなどを行う。また、半導体メーカーの年間売上高に応じて、最大500万元(約1億円、1元=約20円)の補助金を支給する。そのほか、産業チェーンの川上と川下間の業務連携を進め、川下の国内半導体メーカーが独自に研究開発・設計した半導体チップやモジュールなどを川上企業が購入することを奨励する。

(2)主要製品と重点技術の研究開発を支援する。半導体企業がハイエンドチップの開発、先進のパッケージングとテストを行う際に、「東莞市の重大科学技術プロジェクトを実施するための弁法(暫行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の対象に含まれる場合、投資額の25%(最大3,000万元)を援助する。また、企業がEDA(注)とIP(回路設計データ)などを購入する際には、規定額に沿って補助金を支給する。ほかにも、高等教育機関・研究機関が企業と連携して公共サービスプラットフォームや産業イノベーションプラットフォームを構築し、EDAとIPの共有、設計、人材育成、その他サービスを提供する場合に支援する。自動車認証試験を行う企業にも補助金を支給する。

(3)資金調達支援を強化する。半導体・集積回路産業向けに100億元超の産業ファンドを運営し、大型プロジェクトの導入、企業の上場、M&Aを支援する。

(4)半導体専門人材の育成を支援する。条件に合う高度人材には、住宅手当と生活補助金を支給し、創業、居住、医療、税収などの優遇措置を受けることができる。一定条件を満たす企業に所属し、対象年度に東莞市で得た年間給与所得が50万元を超える研究開発人材、エンジニアリング部門のマネジャー、管理職などには状況に応じて、1人当たり年間最高100万元の奨励金を支給する。

(注)EDAとは、半導体や集積回路、電子機器など電気系の設計作業の自動化を支援するためのソフトウエアやハードウエアのこと。

(梁梓園)

(中国)

ビジネス短信 4e2152459095019e