NTT東日本、ウェアラブル端末での安全・体調管理サービスの開発・提供で「ビナー.ai」と協業

(イスラエル、日本)

テルアビブ発

2023年12月20日

NTT東日本とイスラエルのスタートアップの「ビナー.ai(Binah.ai)」(以下、ビナー)は12月12日、ウェアラブル端末の活用による、従業員の安全・体調管理の分野をはじめとしたサービスの開発・提供に向けた協業を開始したことを発表した。

協業における取り組みの第1弾として、従業員の健康と安全を見守り安心を提供するNTT東日本のソリューション「ウェアラブルコネクト」の新しいラインアップとして、呼吸数、心拍変動(HRV)、ストレスレベルなどの測定を可能とする、ビナーのソフトウエア「ビナーコネクト」の各機能を利用できる連携対応を開始した。

NTT東日本では、ウェアラブル端末やIoT(モノのインターネット)センサーにより測定される、従業員一人一人の心拍数や位置情報、転倒・停滞検知情報などをクラウド上で処理蓄積し、状態の一元管理および管理者・従業員本人への通知などに活用することで、従業員の健康と安全を見守り安心を提供するソリューションとして、「ウェアラブルコネクト」の提供を行っている。

一方、ビナーは、信号処理と人工知能(AI)を融合させた独自技術により高精度のバイタルサイン(心拍数、呼吸数、心拍変動、ストレスレベルなど)の測定を可能とする「ビナー.aiソリューション」を開発・提供している。これまでは、スマートフォンなどのカメラを用いた顔や指でのスポット測定を実現していたが、現場作業などでの安全管理・健康管理における常時継続的なモニタリングを行うべく、2023年10月からウェアラブル端末などの活用を想定したPPGセンサー(注)をサポートする「ビナーコネクト」の提供を開始した。

今回、両社の協業における取り組みの第1弾として、「ウェアラブルコネクト」の新しいラインアップとして、「ビナーコネクト」の各機能を利用可能とし、この組み合わせにより、作業者の心拍数や位置情報のみならず、心拍変動を基にしたストレスレベルやウェルネススコア(ビナー独自の総合的な健康状態・リスクレベルの評価指標)など、多様なバイタルサインの測定値を基にした状態の一元管理を行う。各データの異常を検知した際に本人や管理者の端末などにアラート通知を行うことで、作業者の不調や事故などの早期発見を可能とし、事故等発生時の初動対応の迅速化を実現し、労働災害防止に貢献するとしている。

(注)光電式容積脈波記録法のことで、LEDライトを皮膚に照射し、反射光の変化により心拍数の計測値に変換する。

(中溝丘)

(イスラエル、日本)

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