11月の消費者物価指数上昇率は前年同月比2.86%、3カ月連続で2%台を維持

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年12月14日

インドネシア中央統計庁(BPS)は12月1日、11月の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比2.86%、前月比0.38%と発表した(添付資料表、図参照)。上昇率は2カ月連続で拡大したものの、伸び幅は3カ月連続で2%台になった。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は、前年同月比1.87%(前月比0.12%)だった。インドネシア中央銀行(BI)は、2023年通年のインフレ率はBIが定める目標の2~4 %の範囲内に落ち着くとの見込みを示している。

前年同月比のCPI上昇率は、主要11品目すべてで上昇した。最も上昇率が高かったのは食料・飲料・たばこ6.71%で、パーソナルケア・その他サービス(3.76%)、レストラン(2.18%)と続いた。

前月比のCPI上昇率は、主要11品目のうち8品目が上昇した。最も上昇率が高いのは食品・飲料・たばこで、1.23%だった。パーソナルケア・その他サービス(0.53%)、医療(0.21%)が続いた。一方、衣類・履物はマイナス0.04%、家庭用機器・工具・定期メンテナンスはマイナス0.03%、情報・通信・金融サービスはマイナス0.02%となった。

地域別にみると、前年同月比では調査対象となっている90都市全てで上昇した。上昇幅が最も大きかった都市は前月に引き続きバンカブリトゥン州のタンジュン・パンダンで、5.89%上昇した。最も低かったのはパプア州ジャヤプラで1.82%だった。

ダナモン銀行のエコノミスト、イルマン・ファイズ氏は「11月のインフレについては、年末にかけての需要増、エルニーニョ現象に伴う食料品の供給不足が影響した」と指摘した(「ビスニス」12月1日)。

国家食糧庁のアリフ・プラセトヨ長官は「食料品のうち、最もインフレ率が高かったのは赤唐辛子だった。エルニーニョ現象の影響で生産量が減少したことが主な要因だ」とした(「リプタン6」12月1日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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