1ヘクタール当たりの穀物収穫量が過去最高を記録

(ウクライナ)

ワルシャワ発

2023年12月20日

ウクライナ農業政策・食料省は12月8日、穀物(マメ科作物を含む、以下同様)の1ヘクタール当たりの収穫量が5.47トンに達し、ウクライナでの従来の最高記録だった2021年の5.36トンを超え、過去最高を記録したと発表した。これを受け、同省は2023年の穀物および油糧種子の収穫量見通しをそれぞれ5,970万トンと2,160万トンに引き上げた。

12月第1週時点で、ウクライナでは5,705万7,700トンの穀物と2,072万3,000トンの油糧種子が脱穀され、10の州ではすでに収穫が完了した(同省プレスリリース12月8日)。

穀物の収穫は1,043万3,000ヘクタールの面積で行われ、作物別の脱穀済み収穫量では、トウモロコシが2,688万2,000トンのほか、小麦が2,247万8,000トン、大麦が590万9,000トン、エンドウ豆が39万9,500万トン、ソバが20万7,400トン、キビ属が18万トン、その他が100万2,000トンだった。

油糧種子の収穫は821万5,000ヘクタールの面積で行われ、作物別の脱穀済み収穫量では、ヒマワリが1,194万トンのほか、大豆が477万8,000トン、セイヨウアブラナが400万5,000トンだった。

なお、ウクライナ国家統計局の統計データによると、ロシアによるウクライナ侵攻以前の2021年は、穀物の作付面積は1,599万ヘクタール、収穫量は8,601万トンだった。内訳は、トウモロコシが4,211万トン、小麦が3,215万トン、大麦が944万トン、エンドウ豆が56.6万トン、ソバが10.6万トン、キビ属が20.5万トン、その他が143万トンだった。油糧種子の作付面積は894万ヘクタール、収穫量は2,282万トン。内訳は、ヒマワリが1,639万トン、大豆が349万トン、セイヨウアブラナが294万トンだった。

戦前の2021年の統計と比較すると、2023年の穀物の作付面積および収穫量見通しがそれぞれ34.8%減、30.6%減と大きく減った一方、油糧種子の作付面積および収穫量見通しはそれぞれ8.1%減、5.3%減の小幅な減少にとどまっている。

(柴田哲男、坂口良平)

(ウクライナ)

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