日本映画「君たちはどう生きるか」と「ゴジラ-1.0」が全米週末映画興行成績で2週連続トップ5に

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2023年12月19日

年末のホリデーシーズンで大手配給会社による大作がひしめく米国において、宮崎駿監督のアニメ映画「君たちはどう生きるか」と山崎貴監督の特撮映画「ゴジラ-1.0」が全米興行成績トップ5に2週連続で外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますランクインした。

「君たちはどう生きるか」(英題「The Boy and the Heron」)は、12月8日に全米2,205館で公開された。米国映画興行成績分析サイトのボックス・オフィス・モジョによると、公開初週の全米週末映画興行成績(12月8~10日)では、「ハンガー・ゲーム0」(英題「The Hunger Games: The Ballad of Songbirds & Snakes」、11月17日に全米3,776館で公開)などを抑えての1位獲得となった。2週目(12月15~17日)は「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」(英題「Wonka」、12月15日に全米4,203館で公開)に首位の座を譲り渡したものの、全米3位をキープするかたちとなった。

本作品は、引退を表明していた宮崎監督の復帰作。声優陣にクリスチャン・ベール氏やロバート・パティンソン氏といったハリウッドスターを起用した同作は、ジブリ作品としては初めて全米週末興行ランキング1位となり、日本映画としても「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(2021年4月米国公開)や「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」(2022年8月米国公開)に続く快挙となった(2021年5月7日記事参照)。さらに、2023年12月11日に発表された第81回ゴールデングローブ賞では、同作品がアニメ映画部門に、同作品の音楽を手掛けた作曲家の久石譲氏が作曲賞にそれぞれノミネート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされている。

「ゴジラ-1.0」(英題「GODZILLA MINUS ONE」)は、12月1日の公開以来、全米週末映画興行成績で3位を2週連続で獲得した。ボックス・オフィス・モジョによると、同映画の米国における興行収入は17日時点で約3,442万ドルを記録しており、実写日本映画における全米興行収入記録を34年ぶりに塗り替えた(注)。本作は、日本語音声・英語字幕版での公開だったが、好評を受け、公開3週目の上映館数は公開初週時点の2,308館から2,622館まで拡大している。

米国での人気の高さがあらためて示されたゴジラ作品は、ドラマシリーズ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」がアップル提供のストリーミングサービス「Apple TV+」で全世界において配信されている。また、日本を舞台としたジェームズ・クラベル氏の小説「将軍」を原作とした時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」が、日本人を中心としたキャストで製作され、米国では2024年2月からストリーミングサービスのHuluで配信予定となっている(日本ではディズニープラスで配信予定)。日本の知的財産(IP)を原作としたコンテンツや日本の俳優が活躍する作品は、全米市場でも注目され、人気を集めつつある。

(注)これまでの最高記録は、1989年に米国で公開(日本では1986年に公開)された「子猫物語」(英題「The Adventures of Milo and Otis」)の約1,329万ドルだった。

(津脇慈子、仲野千晶)

(米国、日本)

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