セムコープが双日・九電と提携、インドでアンモニアを製造し日本に供給

(インド、日本、シンガポール)

アーメダバード発

2023年12月26日

シンガポールの複合企業セムコープ・インダストリーズの子会社セムコープ・グリーン・ハイドロジェンと双日、九州電力は12月18日、インドで生成するグリーンアンモニアを日本へ供給するプロジェクトについて、覚書を締結したと発表した。このプロジェクトのグリーンアンモニア生成に当たっては、再生可能エネルギーが使用される。

同連携事業の狙いは、(1)高い再生可能エネルギー競争力を有するインドで安価なグリーンアンモニアを製造し、日本の脱炭素化に貢献すること、(2)グリーンアンモニアはガス価格の変動の影響を受けず、従来の燃料調達先ではないインドとのサプライチェーン構築により、日本のエネルギー安全保障へ貢献することの2点を主とする。覚書は12月16日に東京で開催された「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」首脳会議で発表された。

セムコープの12月18日付プレスリリースによると、日本は2030年までに燃料用アンモニアを300万トン輸入することを目標としており、需要は2050年に3,000万トンに拡大すると予想されている。グリーンアンモニアは日本の電源ミックスで脱炭素化を進めるための重要なエネルギー源であることから、今回の提携事業は2050年までにネットゼロを達成するという日本政府の目標を支援するかたちとなっている。同社は、3社のパートナーシップが国境を越えた水素サプライチェーン開発に対する日本、インド、シンガポールの強いコミットメントを反映しているとした。

セムコープはアジアで水素とその誘導体の導入を推進しており、インドでは総計3.7ギガワット(GW)の再生可能エネルギーのポートフォリオを有している。今回の提携事業では、同社が確立したインドでのプレゼンスを活用する。

セムコープがリードデベロッパーとなり、最適な事業地や技術の選定、再生可能エネルギー発電所や水素・アンモニア生成プラントの設計・調達・建設(EPC)、操業など、同案件の推進を主導する。また、双日と九州電力は産業構造の変革に寄与する需要家のマーケティングや海上輸送の手配、プロジェクトファイナンスの調達などを担当する(12月18日付双日プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、九州電力プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(古川毅彦)

(インド、日本、シンガポール)

ビジネス短信 24b16bf865724236