日ASEAN特別首脳会議を開催、共創に向けた官民連携策など発表

(ASEAN、インドネシア、日本)

ジャカルタ発

2023年12月21日

日本ASEAN友好協力50周年の特別首脳会議が東京で12月17日に開催され、岸田文雄首相が共同議長として出席した。ASEAN加盟国からは、ASEAN側の共同議長を務めたインドネシアのジョコ・ウィドド大統領をはじめ、ASEAN各国の首脳が参加した。また、ASEANへの正式加盟を目指している東ティモールのシャナナ・グズマン首相がオブザーバーとして参加したほか、ASEAN事務局のカオ・キムホン事務総長が出席した(12月17日、日本の外務省発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

会議では「日ASEAN関係のレビュー」「平和と安定のためのパートナー、地域・国際情勢」「世代を超えた心と心のパートナー」(ワーキングランチ)、「未来の経済・社会を共創するパートナー」の4つの議題について議論した。

「未来の経済・社会を共創するパートナー」のセッションでは、日本とASEANの共創による課題解決のための官民連携の新たな取り組みとして、(1)東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)へのアジア・ゼロエミッションセンター設置などをはじめとするアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の推進、(2)日ASEAN次世代自動車産業共創イニシアチブの立ち上げ、(3)連結性強化、気候変動対策、中小零細企業・スタートアップ支援などのための民間投資の後押しを発表した。また、2023年3月に1億ドルの追加拠出を発表した日ASEAN統合基金(JAIF)を活用したコミットメントの着実な実現を示した。

特別首脳会議前日の16日、岸田首相はジョコ大統領と日インドネシア首脳会談を行った。岸田首相はインドネシア海上保安機構(BAKAMLA)に対し、大型巡視船1隻の供与を決定したほか、インドネシアのOECD加盟審査の早期開始を支持していると述べるとともに(2023年9月13日記事参照)、日インドネシア経済連携協定(JIEPA)の改定交渉が大筋合意に至ったことなどを確認した(12月16日外務省発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ジョコ大統領はジャカルタ都市高速鉄道(MRT)の東西ルート建設に対する日本の協力への謝意と、計画どおりの施工完了への期待を表明。また、AZECの重要性を強調するとともに、「3つの優先プロジェクト(注)の加速化に対するサポートを要望する」と述べた(12月16日インドネシア大統領府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注)ジョコ大統領は3つの優先プロジェクトとして、ムアララボ地熱発電事業、レゴックナンカ廃棄物発電事業、中央カリマンタン州での泥炭地管理に言及。

(大滝泰史)

(ASEAN、インドネシア、日本)

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