COP28でサウジ・グリーン・イニシアチブ・フォーラム開催

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年12月12日

第3回となる「サウジ・グリーン・イニシアチブ(Saudi Green Initiative:SGI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)・フォーラム」が12月4日、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28、2023年12月1日記事参照)開催中のアラブ首長国連邦(UAE)のエキスポ・シティー・ドバイ(注)で開催された。

2023年のテーマは「野心から行動へ」とし、サウジアラビアのアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相や、ファイサル・ビン・ファデル・ビン・アール・イブラヒム経済・企画相のほか、サウジアラビア公共投資基金(PIF)のヤセル・アール・ルマイヤン総裁らが出席し、影響力のある著名人や気候専門家とともに、気候変動問題について議論した。

アブドゥルアジーズ・エネルギー相は講演で、サウジアラビアの再生可能エネルギーの容量が前年比4倍に増えていることを示すとともに、東部州での炭素回収・貯留(CCS)のため、2カ所の工業センターを開発中で、年間4,400万トンの貯留を目指していることを発表した。気候変動に関する資金援助にも触れ、「先進国から発表された控えめな金額とは対照的に、サウジアラビアは先月(11月)にリヤドで開催されたサウジアラビア・アフリカ・サミット(2023年11月13日記事参照)で、最大500億ドルの資金拠出を発表している」と述べた。

写真 SGIフォーラム会場(ジェトロ撮影)

SGIフォーラム会場(ジェトロ撮影)

SGIフォーラムの会場ではCOP28の期間中、サウジアラビアの気候変動対策を紹介する「SGIギャラリー」と、気候専門家らがセッションを行う「SGIトークス」を開催している。

「SGIギャラリー」では、SGIの4つの柱の「緑化と土壌劣化削減」「持続可能な発展の促進」「野生動物と生物多様性の保護」「循環型炭素経済」に沿って展示を行っている。「緑化と土壌劣化削減」のエリアでは、サウジアラビアの海水淡水化公社(SWCC)が再生可能エネルギーや水素を利用した海水淡水化技術を紹介し、「循環型炭素経済」のエリアでは、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)やサウジアラムコなどによる脱炭素技術が紹介されている。

写真 SGIギャラリーでの展示の様子(ジェトロ撮影)

SGIギャラリーでの展示の様子(ジェトロ撮影)

(注)COP28会場は、国連が管理し本会議場を含む「ブルーゾーン」と、一般参加者も入場可能な「グリーンゾーン」の2つの区域に分かれており、SGIフォーラムは「グリーンゾーン」で開催された。

(位田陸、久保田夏帆)

(サウジアラビア)

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