マレーシアで新進気鋭のシェフとホタテPRでタッグ

(マレーシア、日本)

クアラルンプール発

2023年12月15日

ジェトロは126日、マレーシアの首都クアラルンプール郊外で、ローカルの富裕層向けに、日本産ホタテの認知度向上および飲食店での利用拡大を目的としたPRイベントを開催した。

イベントは独創的なおまかせ料理を提供する「Chipta11A」で開催され、オーナーシェフのジャック・ウェルディ氏が、飲食店オーナーや有名シェフ、フードブロガー、インスタグラマーなど約30人の参加者に、日本産ホタテを使った料理を提供した。

同レストランは寿司(すし)をはじめとした日本料理とマレーシア料理のフュージョンレストランで、ジャック氏は独創的なアイデアを持った若手シェフとして飲食業界で一目置かれている。

写真 日本産ホタテを使った料理を盛り付けるシェフの様子(ジェトロ撮影)

日本産ホタテを使った料理を盛り付けるシェフの様子(ジェトロ撮影)

イベントでは、ローカル料理と組み合わせた前菜や、ごま豆腐とリンゴを掛け合わせた独創的な冷菜、稲庭うどんを用いた麺料理、オリジナルソースで味付けした海鮮丼など日本産ホタテを使った全5品を提供。伝統的な日本食のスタイルにこだわらず、食材の良さを引き出すようにホタテをアレンジした料理は、参加者から好評だった。

写真 日本産ホタテとごま豆腐、リンゴを掛け合わせた創作料理(ジェトロ撮影)

日本産ホタテとごま豆腐、リンゴを掛け合わせた創作料理(ジェトロ撮影)

参加者からは、「マレーシアでこれほど新鮮な日本産ホタテが手に入ることを初めて知った。ホタテを使ってさまざまな創作料が提供できると分かった。海鮮丼は寿司以外の料理とも相性が良いことが分かった」「食べてみて非常においしかった。このイベントを通じて、生と冷凍のホタテで違いがほとんどないと感じた。日本産ホタテの普及において(冷凍でもおいしく食べられると知ってもらうことは)とても重要なことだと思う」などのコメントが寄せられた。

写真 ジャック・ウェルディ氏(中央)(ジェトロ撮影)

ジャック・ウェルディ氏(中央)(ジェトロ撮影)

マレーシアの1人当たりGDPは1万2,364ドル(2022年)と、ASEANではシンガポール、ブルネイに次いで高く、着実な経済成長のもとで国民の購買力も高まっている。財務省の貿易統計によると、2022年の日本からマレーシアへの農林水産物・食品の輸出額は233億5,800万円と、5年間で3倍強に拡大した。2022年の輸出額上位20カ国・地域の中では最大の伸び率を記録するなど、マレーシアにおける日本産食品の需要は確実に拡大している。

しかし、日本産ホタテに焦点を当てると、2022年のマレーシア向けホタテ輸出額は1億8,300万円とホタテの輸出額全体(910億5,200万円)の0.2%にとどまり、マレーシアのホタテ市場は開拓余地が大きいといえる。

(稲上芳郎、西井健)

(マレーシア、日本)

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