FTA改定議定書署名や30日間ビザ免除を発表

(シンガポール、中国)

シンガポール発

2023年12月12日

シンガポールのローレンス・ウォン副首相兼財務相と、中国の丁薛祥・副首相が共同議長を務めた第19回2国間協力共同委員会(JCBC)が12月7日に中国・天津市で開催され、中国・シンガポール自由貿易協定(CSFTA)のさらなるアップグレード議定書の署名や、30日間の相互ビザなし渡航など、24の覚書(MOU)や合意を発表した。

シンガポール貿易産業省(MTI)によると、CSFTAに関する新たな議定書により、サービスと投資に関する約束がネガティブリスト方式(自由化を約束しない分野を列挙する方法)で行われる(MTIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。シンガポールと中国の両締約国は2019年に発効した議定書で、商業拠点を通じたサービスの提供を含むあらゆる種類の投資を対象に、ネガティブリスト方式に基づく投資自由化について交渉を行うことに合意していた。今回署名した議定書により、建設・同関連エンジニアリングサービス、小売り・卸売り、建築・都市計画サービス、技術検査・分析サービス、賃貸など22分野で、シンガポール投資家の持ち分比率の上限が撤廃される。

そのほかにも、投資分野では、ローカルコンテント要求や技術移転要求などの特定措置の履行要求などを禁止する。サービス分野では、一方の締約国が他方の締約国の供給者に対し、国境を越えたサービスの提供の条件として、自国の領土内に商業拠点を確立することなどを要求する「現地プレゼンス要件」を禁止する。さらに、電気通信サービス章を新設し、電気通信のルールを明確にする。

今回のJCBCでは、2024年初頭の実施を目指し、相互の30日間ビザ免除の運用の詳細を検討することも発表した。中国はシンガポール国民に対し、滞在期間15日以内のビザ免除措置を2023年7月に再開したが(2023年7月27日記事参照)、シンガポールは現時点で、中国人のビザなし渡航を認めていない。

今回のJCBCで発表したMOUや合意事項は、シンガポール首相府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(朝倉啓介)

(シンガポール、中国)

ビジネス短信 070eb890d543eba7