中国、シンガポールとブルネイに対する滞在期間15日以内のビザ免除措置を再開
(中国、シンガポール、ブルネイ)
武漢発
2023年07月27日
在ブルネイ中国大使館と在シンガポール中国大使館は7月23日、それぞれブルネイおよびシンガポール国民に対して、滞在期間15日以内のビザ免除措置を再開すると発表した。これらの措置は、7月26日午前0時(中国時間)から開始されている。
7月24日に行われた中国外交部の定例記者会見で、毛寧報道官はこれらの措置の目的について、「シンガポールとブルネイの両国民の中国訪問の利便性を高めるため」と説明した。
日本に対するビザ免除措置は再開せず
新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大以前は、中国は日本、シンガポール、ブルネイの3カ国に対し、滞在期間15日以内のビザ免除措置を施行していたが、2020年の新型コロナ感染拡大以降、これらの措置は停止され、中国への渡航にはビザの取得が必要となっていた。今回の措置で、シンガポールとブルネイに対するビザ免除措置は再開したが、日本に対するビザ免除措置は依然として停止されたままとなっている(2023年7月時点)。
在日中国大使館の呉江浩大使は4月28日に行われた日本記者クラブの会見で、滞在期間15日以内のビザ免除措置再開について、重要な問題とした上で、「(当該措置を)いつ復活させるかは北京で検討中」と発言し、加えて「日中の間にはこれほど多くの人的往来があり、今後の交流や協力を考えると、日中双方が対等にビザを免除すべき」との考えを示した(注1)。
また、報道などによると、7月に入ってからも、中国政府は日本に対し、当該措置の再開には「対等の措置」が必要だと主張しており、中国人のビザ要件緩和を日本に求めている(「共同通信」7月13日)。ただし、ビザ免除措置が復活したシンガポール(注2)とブルネイは、中国国籍の者が入国する際には今なおビザの取得が必要となっている。
(注1)現在に至るまで、中国国籍を持つ者が日本へ渡航する場合はビザの取得が必要。
(注2)中国国籍者は96時間以内のトランジットであれば、ビザ取得が免除される場合がある。詳細についてはシンガポール入国管理局(ICA)の通知を参照。
(楢橋広基)
(中国、シンガポール、ブルネイ)
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