湖北省政府、自動車産業構造改革プランを発表
(中国)
武漢発
2023年12月07日
中国の湖北省政府は11月13日、「湖北省自動車産業構造改革プラン」を発表した。プランでは、2025年までに湖北省の新エネルギー車(NEV)生産量が同省全体に占める割合を40%以上とすることや、NEV生産額を3,500億元(約7兆3,500億円、1元=約21円)とすることを掲げた。また、電力変換システムやスマート運転システムなどの核心的な技術の自主開発率と産業の安全保障レベルを向上することや、NEV部品の省内調達率を40%以上とすることなどを目標としている。さらに、レベル2(注1)以上の自動運転技術を有する新車の販売台数は、同省のNEV新車販売台数の80%以上とするなど、自動運転に関する目標も設定した。
上記目標を達成することで、NEV生産の規模拡大と競争力強化を行い、2025年までに湖北省のNEV生産能力を250万台以上に引き上げ、同省を一大自動車生産地とするという。
具体的には、同省に本社を構える東風汽車集団との協力的な発展を深め、企業の構造改革を誘発し、NEVや自主ブランドのブレークスルーを促進する。2025年までに東風汽車集団のNEV生産台数を100万台にし、NEVとガソリン車の生産台数比率を1対1にし、自社ブランドと他社との合弁ブランドの生産台数比率も1対1にするとしている。
また、国際的に有名なハイエンド完成車メーカーや、国内大手自動車メーカーの湖北省への投資誘致や、吉利控股集団傘下の英国自動車メーカーのロータスや東風汽車集団の高級オフロードNEV車などの生産を2025年までに年間60万台以上にするなど、NEV乗用車の規模拡大を進めるとした。NEV商用車についても積極的に発展させるとしている。具体的には、東風商用車などが国際的な大手商用車メーカーと戦略的提携を深め、バッテリー、ハイブリッド、水素燃料電池を用いたNEV商用車の研究開発や生産に力をいれることで、中国NEV商用車生産基地を建設することを支援するとしている。
加えて、自動運転については、自動運転タクシーやバス、物流・配送車、清掃車などの実証と応用を奨励するとし、レベル3(注2)以上の自動運転車両の商業化、社会実装を積極的に支援するとしている。
上記のほかにも、パワーバッテリーや水素電池の産業チェーンの発展や、国外市場への進出を促進することなどにも言及した。
(注1)モビリティー分野の専門機関の自動車技術者協会(SAE、本部:米国ペンシルベニア州ウォーレンデール)が定義する自動運転のレベル(注2も同様)。システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の両方を特定条件下で部分的に実行されるレベル。
(注2)システムが全ての運転操作を一定の条件下で実行可能で、作動継続が困難な場合はシステムの介入要求などに運転者が適切に対応するレベル。
(楢橋広基)
(中国)
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