NYテック・ウィークで400以上のテック系スタートアップイベントが開催

(米国)

ニューヨーク発

2023年11月07日

米国ニューヨーク(NY)市を中心に、101622日にNYテック・ウィーク2023が開かれ、テック系スタートアップをテーマにした400以上のイベントが開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。会期中には、スタートアップやベンチャーキャピタル(VC)、起業家、投資家などのスタートアップエコシステム関係者が世界中から集まった。

テック・ウィークでは会期中、エコシステム関係者が各自でイベントを主催するほか(注1)、それ以外のイベントへ参加することで、ネットワーキングや情報収集、自社の活動をPRできる場となっている。今回のNYテック・ウィークはイベント数が400を超えた。グローバルスタートアップ・エコシステムランキングで2位を維持するNY市(2023年6月19記事参照)の魅力の1つとされるエコシステムの厚みが表れた格好となった。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

イベントの主催者には、スタートアップのほか、VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、テックスターズなどのエコシステムの主要アクターに加え、アマゾン、グーグル、JPモルガン、IBMなどの大手企業、非営利団体、行政機関といったエコシステムを形成する多様な組織が名を連ねた。

会期中に議論されたテーマは、資金調達、スケールアップなどのスタートアップ経営一般から、人工知能(AI)・機械学習(ML)、フィンテック、ゲーミング、ヘルスケアテックなど幅広い内容が取り扱われた。形式としては、セミナー、パネルディスカッション、プロダクトショーケース、ネットワーキングがあった。そのほかピッチイベント、デモデー(注2)など、さまざまなイベントが開催された。

写真 デモデーの様子(ジェトロ撮影)

デモデーの様子(ジェトロ撮影)

参加者からは「ニューヨークのスタートアップコミュニティは閉鎖的だが、こうしたイベントなどを通じてコミュニティに入り込めると、裏にある質の高いコミュニティを紹介してもらえる」という声があった。NY市は、米国最大の人口を誇る市場規模、多様な産業集積、行政主導のイニシアチブなどによって、スタートアップエコシステムが形成されている。全米有数のスタートアップエコシステムを持つNY市ならではの、スタートアップ関係者が集う1週間となった。

テック・ウィークは、2023年にロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨークで開催され、計1,000近いイベントが開催された。2024年はすでにロサンゼルス、サンフランシスコでの開催が予定されている。

(注1)テック・ウィークで開催したいイベントがあれば、主催者であるa16zにイベント提案を申請し、申請が認められると、テック・ウィークのイベントとしてホームページ上のリストに掲載される。原則として、期間内の開催であればイベント内容や時間は自由だが、主催者によれば、イベントの種類と時間がバランス良く分布するように承認されている。

(注2)スタートアップが投資家などに対してピッチや製品デモを行う日のこと。アクセラレーションプログラムなどで選考を勝ち抜き、プログラム終了後の成果発表として行われるケースが多い。

(石井英久)

(米国)

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