航空・宇宙・防衛産業の展示会「ドバイ・エアショー2023」開催

(アラブ首長国連邦、日本、サウジアラビア、フランス)

ドバイ発

2023年11月24日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで11月13~17日、航空・宇宙・防衛産業の展示会「ドバイ・エアショー2023」が開催された。95カ国から1,400以上の出展があり、商用航空機からビジネスジェット、ドローン、UAV(無人航空機)、軍用機など190以上の航空機が展示された。

初日には、エミレーツ航空が約520億ドルに相当するボーイング社製航空機95機(ボーイング777-9、777-8、787)を発注することを発表した(2023年11月20日記事参照)。ドバイを拠点とする格安航空会社(LCC)のフライドバイも、ボーイング787-9ドリームライナー30機、約110億ドル分を発注することを発表した〔11月13日付国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

2日目には、サウジアラビアの公的投資基金(PIF)が立ち上げたリヤド航空がボーイング787-9ドリームライナーを最大72機発注したことを発表するなど、中東湾岸諸国による大型発注の発表が相次いだ(11月14日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

エミレーツ航空はまた、航空機のほかにも、ドバイ・ワールド・セントラルに新しい航空機用エンジニアリング施設を建設するために、9億5,000万ドルを投資すると発表した。主に同社が保有する航空機向けにメンテナンスや修理、オーバーホール(MRO)などを提供し、余力があれば他の航空会社にも提供する可能性があるという(11月14日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

日本企業としては唯一、川崎重工業が出展し、同社の「C-2輸送機」を紹介した。また、フランス発スタートアップで電気ハイブリッド航空機を製造するボルトエアロ(VOLTAERO)のブースで、同社製航空機に搭載されているカワサキモータース(川崎重工業傘下)のエンジンが展示された。カワサキモータース企画本部事業企画部の今井雄一郎氏は「カワサキモータースは、バイク製造で培った小型で馬力のあるエンジンの設計・製造に強みがあり、需要拡大が今後見込まれる小型ハイブリッド航空機にもその強みが生かせると考えている。2035年までには水素エンジンの開発も目標としている」と語った。同氏は中東の市場について「近隣国への移動や国内移動など、短距離・短時間の移動も多いため、小型かつ環境に優しいハイブリッド機の需要拡大が見込まれる」としている。カワサキモータースは2023年5月にボルトエアロへの出資も行っており、同分野への販売拡大を目指している。

写真 ボルトエアロのブース(ジェトロ撮影)

ボルトエアロのブース(ジェトロ撮影)

写真 カワサキモータース製のエンジン模型(ジェトロ撮影)

カワサキモータース製のエンジン模型(ジェトロ撮影)

ドバイ・エアショー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは2年に1回の開催で、次回は2025年11月17~21日開催が発表されている。

(太田尭久)

(アラブ首長国連邦、日本、サウジアラビア、フランス)

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