IMF、モザンビークの経済は堅調に成長も、財政健全化への努力喚起

(モザンビーク)

マプト発

2023年11月14日

IMFは10月18日から31日にかけ、モザンビークにミッションチームを派遣し、同国に適用中の拡大クレジットファシリティー(ECF)に関わる経済状況や政策について、政府との協議と評価を実施した。IMFは2017年の同国の非開示債務発覚後、2022年に約4年半ぶりとなる3年間で総額約4億5,600万ドルのECF再開を承認(2022年5月20日記事参照)、2023年7月までに2億1,209万ドルを給付している。

ミッションチーム派遣後のIMFの声明では、経済は堅調に成長しており、2023年のGDP成長率は6%になるとの予測を示した(モザンビーク中央銀行は7%と予想)。とりわけ、天然ガスの生産・輸出が増加(2023年8月22日記事参照)していることに加え、治安状況により停止中の大規模天然ガスプロジェクトの再開も予想されることから、採掘産業の見通しが明るいとしている。インフレ率は2022年8月の前年同月比12.1%をピークに、食料品や燃料価格が落ち着きを見せ、2023年9月には同3.9%に低下した。

財政面に関しては、2022年の基礎的財政赤字がGDP比2.8%となったことを受け、政府の調整により2023年は同0.8%になると予測している。他方、非開示債務問題に端を発し、IMFや世銀を除くドナーからの政府向け財政支援が限られている状況にあることから、財政健全化への努力は継続が必要としている。これについて、IMFは、インフレ率が低下している一方、政策金利は2022年9月以降17.25%に固定されるなど、金利が実質的に高水準となっていることが財政健全化の足かせの1つとなっている点を指摘し、金融政策の段階的な緩和を示唆した。

(松永篤)

(モザンビーク)

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