第1四半期の経常収支発表、天然ガス輸出額は前年同期比約2.8倍

(モザンビーク)

マプト発

2023年08月22日

モザンビーク中央銀行は82日、2023年第1四半期(13月)の経常収支報告書(速報値)を発表した。経常収支赤字額は、前年同期の505,650万ドルに対し、今期は58,550万ドルと88.4%縮小した。前年同期の輸入勘定に約42億ドルの浮体式天然ガスプラント(FLNG)が計上されており、輸入額が前年同期の612,060万ドルから207,190万ドル(前年比66.1%減)となったことが赤字幅の縮小に大きく寄与した。FLNGを除いた輸入額は、ガソリンなど燃料輸入額の増加を受け、前年同期比8.4%増の207,190万ドルとなった。

輸出は前年同期比0.3%増の169,930万ドルだった。石炭は前年同期比14.8%減の46,090万ドル、アルミニウムは同35.5%減の25,530万ドルだった。例年、石炭とアルミニウムで輸出総額の約5割を占めており、2023年第1四半期も構成比がそれぞれ27%と15%になった。中央銀行は、国際価格の下落と、生産量低下の複合的要因によるものと分析している。

他方、エリア4鉱区でのFLNG稼働開始によって生産量が増加した天然ガスは、前年同期比2.8倍の34,900万ドル(構成比20%)と大きく増加した。報道によると、出荷量は明らかにされていないものの、エリア4鉱区からの天然ガス出荷は202211月の生産開始(20221118日記事参照)から20237月末までに計17回実施されている(82日付「クラブ・オブ・モザンビーク」)。

また、中央銀行によると、20233月末時点での外貨準備高(グロス)は287,160万ドルとなっており、輸入の約2.8カ月分をカバーしている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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