山東省、先進製造業クラスターに関する実施意見を発表
(中国)
青島発
2023年11月20日
中国山東省政府弁公庁は11月14日、「先進製造業クラスター発展推進に関する実施意見」(魯政字〔2023〕185号)を発表した(文書は11月11日付)。
同実施意見では、2025年までに世界をリードするレベルのクラスター3カ所、国際競争力のある国家レベルのクラスター8カ所、全国的に影響力のある省レベルのクラスター30カ所の育成を推進するとしている。また、動力設備、ハイエンドなアルミ産業、スマート家電などの規模が5,000億元(約10兆5,000億円、1元=約21円)を超える産業クラスターを3カ所、バイオメディカル、次世代IT、金属材料、化学新素材、新エネルギー車、食品などの規模が3,000億元を超える産業クラスターを7カ所、新エネルギー設備、スマート製造設備、海洋エンジニアリング設備、軌道交通、現代繊維、環境保護などの規模が1,000億元レベルの一群の産業クラスターを育成することを目標に掲げた。
また、重点任務として、次の5項目を挙げている。
- クラスターの科学技術レベルを向上させ、一流のイノベーション体系を構築する。
- クラスター産業の構造を最適化し、一流の製造能力を形成する。
- クラスターの市場主体を成長させ、一流の優れた企業を育成する。
- クラスター内の優れたリソースを結集して、一流の産業エコシステムを構築する。
- クラスターのガバナンス方式を完備し、一流のサービス環境を構築する。
1.では、クラスターの共創ネットワークの完備を図るとしており、2025年までの目標として、省のクラスター内のハイテク企業を5,000社、ハイテク製品の比率を45%、一定規模以上の企業の平均の研究開発投入強度(売上高に対する研究開発費の比率)を省平均レベルより1.5ポイント程度高くすることを掲げた。
3.では、基幹企業の育成メカニズムの完備を図るとしており、2025年までに、クラスター内の世界一流企業を5社、リーディング企業(注1)を10社、国家レベルのニッチトップ企業(注2)を100社にする。また、中小企業の成長活力も引き出すとしており、2025年までに省レベルのニッチトップ企業を350社、省レベル以上の「専精特新」企業(注3)を2,500社、ガゼル企業(注4)を800社、ユニコーン企業を15社程度にする。
(注1)中国語では「領航企業」。
(注2)ニッチ市場での特性産品の生産技術や市場シェアがトップレベルにある企業。中国語では「単項冠軍企業」。
(注3)専門性を有し、精密な技術力を持ち、差別化され、革新的な中小企業を指す。
(注4)シンクタンク「胡潤研究院」の定義によると、2000年以降に創業し、今後3年以内にユニコーン企業になる可能性が高い非上場企業を指す。
(赤澤陽平)
(中国)
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