10月の消費者物価指数上昇率は前年同月比3.4%、政府が物価対策を発表

(ギリシャ)

ミラノ発

2023年11月30日

ギリシャ統計局は11月10日、10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.4%で、9月の1.6%から加速したと発表した。前月比では0.6%となった。

製品・サービス群でみると、食品および非アルコール飲料の上昇率が最も高く、前年同月比で9.9%となり、次いで健康・医療が5.6%、ホテル・カフェ・レストランが4.8%となった。一方、通信はマイナス3.2%だった。また、住宅関連はマイナス2.0%となり、天然ガス価格の大幅な下落が影響したものの、家賃や修繕費、電力などの上昇により、一部相殺された。

製品やサービスの内訳をみると、前年同月比で上昇率が高かったものから、油脂類(26.0%)、果物全般(20.5%)、ミネラルウォーター・ソフトドリンク・フルーツジュース(14.3%)、野菜全般(12.3%)、医薬品(11.8%)、固形燃料(10.8%)などが挙げられる。一方、前年同月比で上昇率がマイナスとなった品目は、天然ガス(60.5%減)、燃料および潤滑油(6.2%減)、電話サービス(3.6%減)、AV機器やコンピュータの補修サービス(1.0%減)だった。前月比では、特にオリーブオイルの上昇率が高く14.1%となったほか、灯油(12.7%)、果物(8.0%)、航空機での旅客輸送(4.2%)、天然ガス(3.9%)などが高かった。

ギリシャ政府は10月11日、食品や日用品の価格高騰に対応するため、生産者や大手スーパーマーケットなどを対象に「恒久的値下げ」イニシアチブを閣議決定した。同イニシアチブへ参加を表明する生活必需品の製造・卸売企業は11月30日までに開発省へ書面で通知し、対象製品の小売価格を9月19日時点の店頭小売価格をベースに設定する。店頭では割引された商品の棚に所定の表示看板が設置され、同イニシアチブに基づいて価格設定された製品であることが識別可能になる。11月13日時点で、37の主要品目カテゴリーで62社770製品が対象となった。各カテゴリーの平均値下げ率は5~10%で、少なくとも6カ月は継続される。コスタス・スクレカス開発相は、11月14日付のプレスリリースで「同イニシアチブは、ますます反響を呼んでいる。われわれはこれに満足せず、断固として家計や困窮する国民の支援のための努力を続ける」と述べた。

(井上友里)

(ギリシャ)

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