10月の消費者物価上昇率はマイナス0.31%、2年2カ月ぶりに前年同月より下落

(タイ)

バンコク発

2023年11月30日

タイ商務省が11月6日に発表した2023年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス0.31%となり、前月(0.3%)から低下し、2年2カ月ぶりにマイナスに転じた。軽油の物品税や電気料金の引き下げなど、政府によるエネルギー価格の抑制措置が影響した。また、豚肉や生鮮野菜などの食料価格も低下した。

振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数については、0.66%となり前月(0.63%)から微増した。

食品・非アルコール飲料はマイナス0.65%(9月マイナス0.1%)と低下した。非食品もマイナス0.09%(同0.59%)とマイナスに転じた。品目別の上昇率では、食肉・魚マイナス7.26%(同マイナス6.37%)、生鮮野菜マイナス7.54%(同マイナス3.93%)、総菜1.44%(同1.33%)、軽油マイナス10.9%(同マイナス6.66%)など。

また、10月のCPIは前月比でマイナス0.28%となり、1月から10月におけるCPI上昇率は前年同期比1.60%となった。

商務省によれば、11月のCPI上昇率も前年同月比でわずかにマイナスになると見込んでいる。食肉などの食料や電気料金や燃料費などのエネルギーの価格が低下することが要因。また前年の物価水準が高いことも、物価の低下傾向を後押しするとした。

なお、商務省は引き続き2023年通年のCPI上昇率予測を1.0~1.7%(中央値1.35%)としている。

(藤田豊)

(タイ)

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