ショルツ・ドイツ首相、エネルギー資源や安全保障で西アフリカ訪問

(ガーナ、ナイジェリア、ドイツ)

アクラ発

2023年11月07日

ドイツのオラフ・ショルツ首相は10月29~31日、ナイジェリアとガーナを公式訪問し、ナイジェリアではボラ・ティヌブ大統領、ガーナではナナ・アクフォ=アド大統領とそれぞれ会談を行った。ショルツ首相は2021年12月に就任して以降、アフリカを2度訪問しており(2022年6月8日記事2023年5月23日記事参照)、3度目となる今回はエネルギー資源が豊富な西アフリカを訪問した。

ショルツ首相はナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領との会談で、アフリカ最大のガス埋蔵量(推定202兆立方フィート)を誇るナイジェリアの液化天然ガス(LNG)生産能力拡大を歓迎し、ドイツ企業によるパイプラインや希少金属開発への投資などについて意見交換をしたと報告した。また、移民、安全保障、西アフリカ・中央アフリカで多発するクーデターなどの地域的・世界的な問題について、ナイジェリアと協力して取り組むことを表明した。

ガーナでは、ショルツ首相とアクフォ=アド大統領が会談を行い、クーデターが多発している西アフリカの民主的秩序を回復することの重要性を強調し、ガーナはこの地域の「希望の光」であり、ドイツにとって緊密なパートナーだとし、ギニア湾に派遣される予定のEUミッションに対し訓練や装備を提供する用意があるした。

また、ドイツはガーナで気候研究、熱帯医学、公衆衛生、パンデミック研究、数学・社会科学などの研究機関といくつかの学術交流を行っているとし、それに対して、アクフォ=アド大統領は、特にエネルギー効率、再生可能資源の開発、エネルギー伝送分野にドイツの技術や援助から大きな恩恵を受けていると述べた。

ショルツ首相は、国連安全保障理事会の非常任理事国(2022~2023年)として、ガーナは世界的な規模で重要な役割を果たしていると述べ、このような世界情勢の中、他のアフリカ諸国も国際機関や国際組織において、自国の大陸や世界全体に関わる問題についてより大きな声で発言できるようになるべきであり、アフリカ連合がG20のメンバーに招聘(しょうへい)されたことは良い進展だとの考えを示した。

(関根広亮)

(ガーナ、ナイジェリア、ドイツ)

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