複数の激戦州でトランプ氏優勢、2024年米大統領選世論調査
(米国)
調査部米州課
2023年11月07日
米国の激戦州で実施された2024年大統領選挙の世論調査において、複数の州でドナルド・トランプ前大統領がジョー・バイデン大統領に対して優勢であることがわかった。
ニューヨークタイムズとシエラ大学は11月5日、2024年大統領選挙に関する世論調査結果(注1)を発表した。この調査は、大統領選挙の激戦州といわれるネバダ、ジョージア、アリゾナ、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの6州で実施された。2024年大統領選挙について、もし今日大統領選挙が実施されたらバイデン氏かトランプ氏、どちらに投票するか、という問いに対して、トランプ氏が6州のうち5州でバイデン氏を上回った(注2)。バイデン氏は、ウィスコンシン州でトランプ氏を2ポイント上回ったのみだった。個別の政策課題に対する信頼度では、6州を総合した結果で、「経済(トランプ氏59%、バイデン氏37%)」「移民(53%、41%)」「国家安全保障(53%、41%)」において、トランプ氏がバイデン氏を上回った。一方、「人工妊娠中絶(バイデン氏49%、トランプ氏40%)」「民主主義(48%、45%)」では、バイデン氏への信頼度がトランプ氏を上回った。
また、CBSニュースが11月5日に発表した世論調査結果(注3)では、2024年大統領選挙でトランプ氏が勝利すれば「家計が好転する」とする割合が45%となり、バイデン氏が勝利した場合(18%)を上回った。他方、「人工妊娠中絶へのアクセスが保護される」とする割合は、バイデン氏が勝利した場合に67%と、トランプ氏が勝利した場合(12%)を上回った。
コネチカット州のキニピアク大学が10月に全米を対象に実施した世論調査(注4)では、2024年大統領選挙においてバイデン氏、トランプ氏どちらに投票するかとの問いにおいて、バイデン氏と答えた割合が47%、トランプ氏が46%と接戦だった。同大学世論調査アナリストのティム・マロイ氏は「(4度起訴された)トランプ氏は米国の法制度と戦争をする一方、バイデン氏は2つの戦線(ウクライナ、イスラエル)での軍事衝突に取り組んでいる。渦巻く混乱、党派的な批判、憎しみにもかかわらず、両候補は依然として互角だ」と述べた。
(注1)実施時期は2023年10月22日~11月2日。対象者はネバダ、ジョージア、アリゾナ、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン6州の登録有権者3,662人。
(注2)トランプ氏は、ネバダ州で10ポイント、ジョージア州で6ポイント、アリゾナ州、ミシガン州でそれぞれ5ポイント、ペンシルベニア州で4ポイント、バイデン氏を上回った。
(注3)実施時期は2023年10月30日~11月3日。対象者は全米の成人2,636人。
(注4)実施時期は2023年10月26~30日。対象者は全米の登録有権者1,610人。
(松岡智恵子)
(米国)
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