ジョージア物流企業、中央アジアへ積極展開

(ジョージア、中央アジア、コーカサス)

タシケント発

2023年11月09日

ウズベキスタンなどの中央アジア各国で経済成長が続き、さまざまな大型インフラプロジェクトも展開されている。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、ロシア経由の輸送を避けようとする荷主の希望から、中央アジアとコーカサスを結ぶ物流の連結性が強まっている。このような背景により、ジョージアの物流企業が積極的に中央アジアでの業務を拡大させている。プロジェクトカーゴ(注)取り扱いで同国最大手のギアンティ・ロジスティクスのギオルギ・マハタゼ社長に話を聞いた(11月3日)。概要以下のとおり。

(問)中央アジアでのビジネスを広げている。中央アジア市場の評価について。

(答)当社は2005年に設立した。2017年にアゼルバイジャンのバクー、2020年にウズベキスタンのタシケント、2023年にはトルコのイスタンブールとカザフスタンのアルマトイにオフィスを開設した。アゼルバイジャンでは英国石油大手BPや国営石油会社ソカールによる敷設用パイプラインの輸送、カザフスタンでは米国シェブロンが開発するテンギス油田向け設備の輸送、ウズベキスタンではタシケント州ベガバードのウズベキスタン冶金(やきん)工場向け機材の輸送、タジキスタンではログン水力発電所(2018年11月19日記事参照)向け設備の輸送などの実績がある。現在は中央アジア全体で風力発電ブームと言える状況で、サウジアラビアなどの顧客の依頼を受けて、風力用タワーやブレードなどをウズベキスタンのブハラ州などへ輸送している(2022年8月29日記事参照)。エネルギー分野を中心として、中央アジアでは大規模なプロジェクトが継続すると判断し、ネットワークを拡大させている。

(問)トルコなど周辺諸国と比べたジョージア物流企業の強みについて。

(答)ジョージアは貨物トランジットに関する手続きが効率的かつ安価なことが大きい。品目によっては税関窓口が24時間対応をする。書類の電子化が進んでおり、原本提出が不要なものもある。トランジットに係る輸送業者の手数料がトルコに比べて桁違いに安い。新規に開設したウズベキスタン事務所でトラックを新たに購入する予定だ。このトラックを利用することで、国外トラックがウズベキスタン国内で長大貨物を牽引する場合に課される特別料金が免除されるため、顧客により安い価格をオファーできる。

 写真 ギアンティ・ロジスティクスのマハタゼ社長(本人提供)

ギアンティ・ロジスティクスのマハタゼ社長(本人提供)

(注)コンテナに収まらない長大貨物や重量物などの特殊貨物全般を指す。

(高橋淳)

(ジョージア、中央アジア、コーカサス)

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